陸山会事件で逮捕された元衆議院議員・石川知裕が「フィリピン英語留学した理由」<後編>
―[元衆議院議員・石川知裕]―
政府も産業界も「グローバル化」の大合唱だ。しかし、当事者たちのグローバル化具合は……。想像に難くない。そんななか、小沢一郎氏の政治資金管理団体「陸山会」をめぐる事件で、議員辞職した石川知裕氏がフィリピン・マニラに英語留学。なぜ彼は、40歳になった今、英語留学を決めたのか?
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◆3か月でTOEICスコアは865点に到達!
石川氏の心を最もひきつけたのは「マンツーマン」というフィリピン独自のレッスンスタイルだったという。石川氏が留学した「EIEN AE」校では、土曜日も含めると一週間で46時間ものマンツーマンレッスンが受講可能だ。
「視察に行った際、トライアルレッスンを受けさせてもらいました。机を前にして講師と90度。パーソナルスペースとしては非常に近いのですが、その分、逃げ場はありません。私のつたない英語力でも、講師は非常に簡単な単語で、ゆっくり話してくれます。
これはグループレッスンにはない、マンツーマンレッスンの良さだと感じました。講師は女性が中心で、身体的な怖さもなく、フレンドリーな性格だからすぐに打ち解けることが出来ます。どうしても日本人は欧米人に対する劣等感がありますから」
フィリピンでの英語学習の結果、留学直後のTOEICの模擬試験で535点だった石川氏のスコアは3か月後には845点に。短期の留学にもかかわらず、300点以上のスコアアップに成功している。あまり知られてはいないが、フィリピンが英語人口世界第3位の英語圏であるということも、短期の語学力アップを支えたという。
「一人でショッピングに行くことも非常に勉強になります。いかに自分の英語が通じないか、カタカナ英語に毒されているかを思い知らされます。パンツを買いに行ったとき、『ショートパンツ』と何回言ってもなかなか通じないんです。
次の日、先生に聞いたら『ショーツと言ったほうがいい。カーゴパンツと言えば、より通じる』と教わりました。『アレルギー』は『アレジー』など、カタカナ英語の弊害は大きい。もし今度私が議員に戻ったら、カタカナ英語を直していこうと思います(笑)」
フィリピンで学んだのは英語だけではない。日本と違い、何と20歳未満の人口が4割を超えるフィリピン。圧倒的な消費力に大きな可能性も感じたという。
「日本料理屋に行くと、私はてっきり現地の日本人ばかりだと思っていましたが、フィリピン人ばかり。フィリピン人が成功の証として、日本食を食べに来るんだと先生に教えられました。だけど、決しておいしいとは言えない……まだまだビジネスチャンスがあると思いましたね。
フィリピンはお米の年間消費量が世界一で、日本の1.6倍の1200万トン。炭水化物の摂り過ぎで太った人も多いですが、国の成長に合わせ、健康にも注目が集まります。日本のおいしい野菜だったら必ず求められるはずです」
最後に40代から英語学習再スタートさせた石川氏から、日刊SPA!読者にメッセージを!
「フィリピンに来る前、東京地検特捜部に逮捕されたときのことを思い出しました。預かっていないものは、預かっていない。特捜部の取り調べは、ずっと平行線でした。そのうち雑談になって、『今後、何がしたいのか?』と聞かれたとき、『英語を勉強したい』と言ったんです。
すると、特捜部の副部長さんが『自分の父親は60歳から英語を始め、友達が倍に増えた、見える世界も倍になったと、しきりに話していた』と。その言葉がとても印象に残っています。実際に私も英語に取り組み、それが事実だとわかった。英語学習で挫折している人は多いと思いますが、英語を勉強するというより、自分の人生を楽しくさせる、可能性を広げる、そんな言葉をぜひ、お伝えしたいですね」
【石川知裕氏】
元衆議院議員。小沢一郎氏の資金管理団体に絡む陸山会事件で逮捕・起訴され、有罪判決を受け、現在は上告中。民主党離党後は、新党大地に所属。留学生活の詳細は公式メルマガ「石川ともひろの汚名返上!第二章」(http://www.mag2.com/m/0001333734.html)に掲載
<取材・文/日刊SPA!取材班 図・写真提供/株式会社EIEN (http://www.eienjapan.com/)>
『悪党 ― 小沢一郎に仕えて』 破門覚悟の告白譚。「小沢擁護」ではない。「小沢排除」でもない。日本の政治に「小沢一郎」は必要か。日本人が放置してきたその問いに、1人ひとりが答えを出す期限が来た。 |
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