若手のやる気を削ぐ50代[不良在庫社員]の言動
―[50代[不良在庫社員]の大迷惑]―
やれ、「ゆとり世代はガッツがない」「バブル世代はお調子者で仕事ができない」「団塊世代はもらうだけもらった逃げ切り世代」……。
とまあ、世代間のディスり合いは常に不毛なものだが、実は今、こっそり会社でお荷物となり疎まれているのが「50代」だという。
まずは、その証言を聞こう。
「親会社からの出向で仕事を覚えようともせず、一日中、麻雀ゲームとソリティア三昧。後ろの席から聞こえるカチカチというクリック音がウザい」(47歳・男・公益法人)、「IT化についていけず、子会社に転籍。のんびりした社風も災いし、営業時間に釣りに行く人も出てきている」(41歳・男・通信)。
こうした呑気な天下りタイプがいれば、「クレーム的な電話がくると姿を消し、気づけばホワイトボードに『NR』」(47歳・男・SE)、「会議で意見を求められても当たり障りのないことしか言わず、反論が出るとすぐにそっちに翻る」(40歳・男・事務)と、責任回避がお得意なタイプもいる。
さらには、「パソコンが使えず、資料作成はすべて部下任せ。そのくせ、営業成績が悪いと『オレの出世の邪魔をするつもりなのか!』とキレ始める」(39歳・男・通信)、「仕事は派遣社員に丸投げ。自分は、みかんやお菓子を食べ歩きながら部下に横から茶々を入れているだけ」(36歳・男・大学職員)。
と、視線は常に上にあり、部下はこき使うものという認識で、ときに手柄を横取りするやからも。
50代といえば、子供の教育費に住宅ローンとお金もかかる時期ではあるが、「部下である私と食事に行っても必ずワリカン。しかも、領収書をもらい経費精算して全額懐に」(38歳・男・通信)なんて話を聞くと、人は老成しないものなのかとガッカリしたりもする。
「タイムカードを押すと、どこかへ外出。戻ってきたと思ったら、お茶を飲みながらぼんやり雑誌をめくったり。それでいて年収はゆうに1000万円超ってどういうこと?」(34歳・男・マスコミ)と、こんな50代の振る舞いに、下の世代のモチベーションはダダ下がる一方だ。
こうした「不良在庫」を再生させる手立てはないのか? キャリアコンサルタントの植田寿乃氏は、「もはや会社が、50代男性に期待をしていない」とその現状を語る。
「アベノミクスの成長戦略で女性管理職を30%以上にするという目標が定められ、今、企業が投資するのは女性です。国が65歳までの雇用を謳っているので、一応、権利として認めてはいるものの、定年を待たずに辞めてほしいというのが本音です。右肩上がりの給料は下げられず、その給料分、働くわけでもない。本人たちは『若いときに安い給料で働いた分をもらっている』という意識なのでしょうが、企業の経営形態は変化している。それに50代男性がまったくついていけてないのです」
植田氏曰く、「50代男性は昭和の“企業戦士”の最後の世代」――。気づけば“老兵”となった彼らが混乱を巻き起こしている。
イラスト/マスリラ
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