FBIがオークションにかけたビットコイン落札者とは?
ヤバイお金』(著:高城泰/扶桑社刊)を参照
<取材・文/高城泰(ミドルマン)>
ビットコイン価格が急騰している。週末には580ドル台だったのが週の明けた火曜日には650ドル手前。10%以上の急騰だ。
「出来高も急増しており、それにつれて値動きも激しくなっています」
と話すのは、アメリカの大手取引所クラケンの宮口綾子氏だ。ビットコインに何があったのか。
実はビットコイン価格は3週間前には13%急落してもいる。今回の急騰で、ちょうど急落前の水準に戻した形だ。1か月足らずの間に起きた急落劇と急騰劇、ともに演出したのはFBIだ。
ビットコイン躍進の影には「違法薬物のアマゾン」と呼ばれた闇サイト『シルクロード』があった。ドラッグや盗品などの売買に、アシの付きにくいビットコインが最適だったため、シルクロードではビットコイン決済が多用された。その額、実に3800億円にも及ぶ。
シルクロードは通常のブラウザでは開けない、インターネットの深海に開設されていたが、やがてFBIの知るところとなり、運営者は御用に。昨年末、FBIは運営者から3万枚近くのビットコインを押収した。この3万枚のビットコインをオークションにかけると発表したのが6月13日。急落はこのニュースがきっかけだった。
ビットコインも同じだ。市場に流通するビットコインの総量は増え続けているものの、そのペースは非常にゆるやか。現在は約1300万コインが発行されている。今回、FBIが放出するのは3万コイン。全体の0.23%にすぎないが、需給の悪化であることは間違いない。
ところがそのオークションも6月27日に終了した。「悪材料出尽くし」で、今度は急騰したのだ。気になるのは、落札者だが。
「公表されていませんが、ビットコイン投資信託を運営する『セカンドマーケット』は競り負けたことを発表しました。一部では、大手銀行のウェルズ・ファーゴ銀行ではとの噂も流れています」(宮口氏)
噂の真偽は不明だが、銀行や証券会社も触手を伸ばしつつあるのは間違いないようだ。FBIによるビットコインの放出はこれで終わりではない。今回放出されたのは、シルクロード利用者が一時的に預けていた分にすぎず、シルクロード運営者が所有していたビットコインもオークションにかけられる可能性がある。その量は15万枚とも30万枚とも言われる。30万枚とすれば、全発行量の5%近くにも当たる。これからも世間を騒がせるだろうビットコイン。そこにはトレードのチャンスもありそうだ。
※ビットコインの仕組みについては『
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