[地方銘柄]急成長中のライザップはさらに爆騰するか?
―[[地方銘柄]ベストバイ10選]―
日本株の上昇に出遅れていた地方単独上場の銘柄も、ついに再評価が始まりつつある。いまだ割安なまま放置されたお宝銘柄は何を契機に化けるかわからない。その魅力とともに注目銘柄を達人たちに聞いた!
⇒【前編】「隠れたお宝[地方銘柄]の探し方とは?」はコチラ
◆株主優待の新設は鞍替え上場の兆し?
では、東証鞍替え上場のシグナルは何か?
「一つは経営者の株価に対する意識の変化を察知することです。地元への帰属意識が高いケースも多く、“地方上場でいい”と考える経営者も少なくない。そんな企業が“社員持ち株制度の見直し”などを始めたら要注目。株価への意識が変化した可能性が高いですね。そういった情報は各取引所が主宰する個人投資家向けのIRイベントや合同会社説明会などで話を聞くとわかりますよ」(SBI証券チーフアナリスト・藤本誠之氏)
サラリーマンでありながら2億円近い資産を築いたJACK氏も勧めるのがIRイベントだ。
「企業ブースに立っている社員に『最近、ボーナスはどう?』『株主優待はやらないの?』と聞くんです。ポロッと『社長はやりたいみたいですよ、優待』と教えてくれることもある。株主優待の新設は経営陣のやる気の表れであり、東証鞍替えの兆し。そんな銘柄は買いたくなりますよね」
例えば、健康コーポレーション(札ア・2928)は業績好調で、今年5月に株主優待も新設。複数の投資家が注目銘柄にあげ、鞍替え上場が期待される企業の一つだ。
「さらに注視すべきは配当ですね。増配なら株主重視の証しですし、東証への鞍替え上場期待も持てる。それに配当利回りが4%を超えれば、配当好きの投資家から買われやすくなります」(ピーク資産10億円のカリスマ個人投資家・DAIBOUCHOU氏)
もちろん、地方銘柄には出来高が少なく流動性が低いといったデメリットもある。それでも、魅力は十分。下記を参考に地方に眠るお宝銘柄を狙ってみよう。
<地方に眠るお宝銘柄>
●健康コーポレーション(札ア・2928)
株価:1137円/鞍替え期待度:★★★
PBR:6.8倍/PER:30.4倍
CMなどでお馴染みの「RIZAP」(ライザップ)は2か月29万8000円だが会員は1万2000人を突破し急成長中。5月に優待新設、配当性向メド引き上げなどを行ったのは札証脱出への準備とも受け取れる
【DAIBOUCHOU氏注目銘柄】
●ジーフット(名2・2686)
現在の株価:2500円/鞍替え期待度:★★★
PBR:1.4倍/PER:10.4倍
「アスビー」などの店名で中部を地盤に全国展開するイオン系の靴販売店。採算性の高いプライベートブランドも拡大。今期も23%増益が予想される急成長企業だが、PERはまだ低評価
●日本乾溜工業(福証・1771)
現在の株価:329円/鞍替え期待度:★☆☆
PBR:0.6倍/PER:4.9倍
福岡県を中心に九州に展開する交通工事会社。地味な会社であり時価総額も20億円足らずだが、割安度は高い。安倍政権が進める老朽インフラの補修といったテーマ性で脚光浴びる可能性が
●コーセーアールイー(福証・3246)
現在の株価:569円/鞍替え期待度:★☆☆
PBR:1.4倍/PER:6.0倍
福岡市内を中心にマンション開発・分譲を行う。2期連続増益中で今期も20%近い成長が見込まれる。現在は配当利回り3.5%。今期も5円増配しており、追加増配で年間配当30円も視野に
【JACK氏注目銘柄】
●北の達人コーポレーション(札証・2930)
現在の株価:870円/鞍替え期待度:★★★
PBR:6.1倍/PER:14.4倍
健康食品や化粧品のネット通販。時価総額は45億円程度だが、四季報に「東証への上場を遠望」との記載。配当利回り2%弱ながら、四季報には「配当性向30%メド」ともあり増配期待も
●ゼットン(名セ・3057)
現在の株価:700円/鞍替え期待度:★★☆
PBR:2.9倍/PER:17.2倍
「アロハテーブル」などハワイアン業態の飲食店を展開。あべのハルカスや六本木アークヒルズなど好立地を中心に積極的に新規出店中。100株で2000円の食事優待券の株主優待も魅力だ
●桧家ホールディングス(名2・1413)
現在の株価:1385円/鞍替え期待度:★☆☆
PBR:1.7倍/PER:7.5倍
首都圏を中心にエコ型の注文住宅事業を展開。子会社の断熱材事業も好調で売り上げ、営業利益とも堅調な伸び。配当利回り3%台後半なので株価横ばいでも配当を享受しつつ、上場を待てる
※株価などのデータは7月29日時点のもの
【藤本誠之氏】
SBI証券シニアマーケットアナリスト。オールアバウト株式ガイドも務め、個人投資家からの信頼も厚い銘柄予測の達人。ついた異名は「相場の福の神」。『朝13分で、毎日1万円儲ける株』(明日香出版社刊)
【JACK氏】
個人投資家。サラリーマンながら日本株を中心に不動産、FXなどで億の資産を築く。近著に『ど素人サラリーマンでも資産を倍々に増やし続ける株式投資』(ぱる出版刊)
【DAIBOUCHOU氏】
個人投資家。不動産流動化銘柄で大成功を収めピーク時には10億円の資産を築く。リーマンショックで資産は目減りするも、悠々自適の生活は変わらず。現在は割安株中心のスタイル
― [地方銘柄]ベストバイ10選【2】 ―
取材・文/高城泰(ミドルマン) 図/ミューズグラフィック 写真提供/名古屋証券取引所 ハッシュタグ