子どものツイートで経費の私的流用が発覚。セコすぎる偽装はエスカレートする危険性も
どこぞの地方議員にかぎらず、みみっちい偽造や偽装工作に精を出す連中は少なからずいる。
「領収書の宛名を書くために複数のペンを用意し、手の角度を変えたりしながら、いくつもの筆跡を作りだす」(38歳・男・マスコミ)
「海外出張でのタクシー領収書用に“海外での筆跡っぽく見える”青インクの太字のボールペンを常備している」(37歳・男・流通)
なんてのは、身に周りを見渡せば一人や二人いるかもしれない。が、小さな偽装も小さいなりにエスカレートする。
「家族との外食も経費で落としていた先輩。調子にのり、マクドナルドや回転寿司の領収書まで出したため、経理からの注意が。飲食費の使用目的である『勧誘・会合・契約・接待』のいずれも『この店で食事をするのは不自然』という指摘に、先輩は『先方のご希望』と宣った」(32歳・男・IT)
いったんはおとがめなしとなったが、子供がツイッターで「回転寿司なう」とつぶやいていた日付と領収書の日付が一致し、減給処分になったとか。
セコすぎるが故に、罪の意識が薄いこれらの「偽装・偽造」だが、不正リスク管理の専門家である不正検査士の甘粕潔氏は、「罪の意識が非常に薄いが、確実に犯罪と言えるものも少なくない」と指摘する。
「不正は『動機』『機会』『正当化』の三要素が揃ったときに起こりやすい。この3つは互いに影響を与え合い、例えば、経理を任されて真面目にやってきた人も、多額の借金返済という『動機』を抱えると、いつも数えているお金の見え方が変わる。不正の『機会』を見いだしてしまうわけです。ただ、こうした小さな偽装・偽造は、『機会』があり、『このくらいなら』『バレないだろう』と打算的に行うケースがほとんどでは」
小さな偽装や偽造だと言っても、それらを引き起こす土壌には「動機」「機会」「正当化」の三要素の一角が、すでに出来上がっている。そのため、より大きな不正へとエスカレートする可能性は十分にある。「このくらい」だったはずが、引き返せなくなることだって、あり得るのだ。
10/21発売の週刊SPA!「セコすぎる[偽造・偽装]事件簿」では、領収書偽造から居住地偽装、さらには家族向け休暇補助金で不倫旅行をしたケースなど呆れた偽装・偽造に専念する人々の事例をリポートしている。 <取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/こまつめ組>
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