更新日:2021年10月28日 11:58
エンタメ

AVを2000本、撮り続けた男。その名はヘンリー塚本

ヘンリー塚本 戦時下の東京に生まれ、’85年にAVメーカー・FAプロを設立。71歳にしてなおも精力的に活動するヘンリー塚本監督。もんぺ姿の農婦の青姦、義父との近親相姦、三畳一間のアパートでオナニーに耽る人妻、異国の戦場でのレイプ……。氏のAV作品はどれも昭和のノスタルジーと、タブーを犯す背徳観に満ちている。  最新作である通算2000タイトル記念作品『ヘンリー塚本のセックスのすすめ』でも、その泥臭さと生々しさは健在だ。塚本監督の強烈な作家性と、コアな人気の源泉に迫った。 ――監督のエロスの原風景は、2歳から中学2年までを過ごした、疎開先の千葉県の農村にあるそうですね。 塚本:あの頃の田舎には、山小屋で情事の気配を感じたり、川に使用済みのスキンが捨てられていたり、日常にセックスの匂いが漂っていたんです。今も僕が覚えているのは、近所に住んでいた40代後半の親父と、20代の若い娘夫婦。どう見ても実の父娘なのに、旦那がいないときにコソコソいちゃついて、明らかに男女の雰囲気を出しているんだよ。近親相姦ものを撮るとき、いつもあの光景を思い出すね。 ――監督の作品から醸し出されるエロスには、“匂い”が強く意識されているように感じました。 塚本:うん、僕にとってエロスのリアリティというのは、嗅覚なんです。セックスって、匂うじゃないですか。女の匂い、汗の匂い、生理の匂い、精液の匂い……決していい匂いだけじゃないんだけど、その強烈な刺激が生々しさをかき立てるんだよね。僕が感じるセックスの生々しさは、言い換えれば陰湿さ。ジメジメした部屋の中で、ひっそりと、こっそりと行われているイメージなんです。匂いや質感を強調したり、普段見ることのできない極端なローアングルから結合部を映すのも、そんな湿っぽさを出すための手法の一つですね。 ※続きは12/2発売の週刊SPA!「エッジな人々」にて! 取材・文/福田フクスケ 撮影/スギゾー
週刊SPA!12/9号(12/2発売)

表紙の人/板野友美

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