仕事で英語を使わない職場でも、英語は武器になる――英語ができるのに普段は使わない男代表・中川淳一郎
週刊SPA!連載「ニュースディープスロート」でもおなじみのネットニュース編集者・中川淳一郎氏。この男、試験勉強なしでTOEIC935点を獲得する英語力の持ち主でありながら、仕事ではまったく英語を使っていないという罰当たりである。そんな彼こそ「仕事で英語を使わない40代が、英語を勉強することにどれほどの意味があるのか?」という問いをぶつけるのにふさわしい人物であろう。
「仕事で英語を使わない職場でも、英語は武器になります。なぜなら『人は印象で評価・判断する』から。俺が博報堂に入社した当時、同じ部署の40代男性Yさん(TOEIC800点台)が『部内の英語通』としてもてはやされていたんですが、俺の得点がそれより高いというので、自動的に『Yさんより優秀な新人』扱い。繰り返しますが、英語は全然使わない部署なんですよ! 驚きましたね」
多くの日本企業において、英語は「対外国人」ではなく「対日本人」に効力を発揮するものである。
「武器とするには、TOEIC700~800点クラスの“及第点”ではなくて、900点を超えるくらい突き抜けている必要がありますが、試験勉強すれば済む話。ヘタな資格を取ろうと頑張るより全然ラクです。すごく小手先な話ですが『ネイティブっぽいこなれた表現』を使うのも、日本人に対して効果大。I’m fine.の代わりにI’m okay.とか、Pardon me?(聞き返し)の代わりにSay that again?とか。英語ができない人間と旅行に行ったときに使えば崇拝の対象になりますよ」
それだけ、日本人の英語に対するコンプレックスは根深い。
「“白人”に対するコンプレックスと言ってもいい。バーで『Hi!』なんつって白人男に絡んでいく帰国子女の女を見るとムカつくのもコンプレックスを刺激されるから。その点、英語ができると心に余裕ができるので、大人の風格が出ます。最強の“お守り”ですよ」
もっとも、差し迫って必要なスキルではないだけに、モチベーションをいかに維持するかは重要課題。本特集が「ズボラ」をテーマに掲げているのもそれゆえだ。
「高校時代の俺は、ひたすらノートに筆記体を書いていました。’80 年代っ子なんで、マイケル・ジャクソンとかマドンナのサインに憧れていたんです。そのノリでJunichiro Nakagawaって何回も書いて。そうするうちにどんどん英語への関心が高まっていった感じですね。英語を勉強するのに大層な“目的”は必要ありませんが、“憧れ”は大切だと思いますよ」
●日本人相手にひけらかしたい!「こなれ英語」
・Say that again? なんですって? (聞き返し)
・I’m okay. 元気だよ(How are you? と聞かれたときの返し)
・I knew it! やっぱりね!
・After you. お先にどうぞ
・Who cares. どうでもいいよ
【中川淳一郎氏】
ネットニュース編集者。博報堂、雑誌ライター、『TV Bros.』編集者を経てネットニュース編集者に。最新刊は山本一郎氏、漆原直行氏との共著『読書で賢く生きる。』
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