自分の部署だけブラック化…一流企業に忍び寄る“ゼブラ化現象”の実態
家電製品から原子力事業まで手がける大手家電メーカーH。苦戦するライバルをしり目に業績好調だが、家電部品の営業部門に所属する寺田真司さん(年収550万円・33歳・仮名)によると「同業他社の営業不振の影響で自分の部署だけブラック化した」と嘆く。
5/19発売の週刊SPA!では「新型ブラック職場を診断」という特集を組んでいる。あなたの職場は大丈夫だろうか? <取材・文/週刊SPA!編集部>
「PC、スマホ、テレビ等の製品は、様々なメーカーの部品を組み合わせて作るので、協力関係にある他社がコケれば自社も影響は受けます。さらに近年は契約内容がシビアな海外企業との取り引きも増え、突然の契約打ち切りで窮地に立たされるケースも多いんです」
そんな状況下では、昇進のため部下の手柄を奪う上司も現れる。
「自分の上司の部長は、部下が取り付けた海外企業との契約を自分の手柄として報告。5年ほど地道な営業を続け、大契約締結を目前に控えた部下を突然配置転換し、明らかな手柄の横取りもしていました」
その部長が昇進を遂げ、権限が増えてからはパワハラも深刻化した。
「他社から出向してきた社員を『俺の一存でお前の会社は潰せる』と脅し、ミスした部下には何時間もかけてネチネチ説教。何と答えても最後は必ず『仕事ナメてんだろ!』と怒鳴られるのでもう諦めています」
部長に取り入ろうと課長もパワハラを始める悪循環も発生。
「作った書類を投げ捨てられたり、夜に予定があると告げた直後に残業させて、僕も休職寸前まで追い込まれました。異動で僕は助かりましたが、上司1人のせいで、部署全体が腐っていくのは恐怖でしたね」
なお同社は土日完全休業で過度の残業も禁止されているが、その状況が逆に社員を苦しめるとも。
「管理職は部下の残業が多いと組合に注意されるので、大量の仕事を投げつつ『定時に帰れ!』と叱る。そのため真面目な社員は規則を破ってデータを外に持ち出し、業務時間外に仕事をしています」
業績好調を守るためにしわ寄せが集中した一部署がブラック化するまさに“ゼブラ化”である。
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