ユニクロでも「おしゃれに見せる」たった一つの秘訣
メンズファッションのバイヤーとして活動する傍ら、ウェブサイト『現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法 KnowerMag』や、メルマガ『最も早くオシャレになる方法』を執筆、その理論のわかりやすさから瞬く間に大人気となり、多くの執筆媒体を抱えるMB氏。アパレル業界を知り尽くした男は「日本人男性のファッション偏差値を底上げしたい」と語る。新刊『最速でおしゃれに見せる方法』の発売を控えたMB氏に、ファッション偏差値45の記者が聞いた。
――前回の記事『なぜ日本人の男はダサいのか?』では、「アメカジ偏重」と「『おしゃれにはセンスが必要』という思い込み」が日本人男性をいまいち垢抜けなく、ダサくしている、と指摘されました。では、具体的にどうすればいいのか教えてください。
MB:前回、正装でもリラックスウェアでもない「街着」では、アメカジに偏ることをやめて「ドレスとカジュアルのバランスを見直しましょう」「ボトムスから揃えましょう」という話をしました。より具体的にいえば、「ドレスとカジュアルのバランスは7:3」が理想です。なぜ「5:5」ではダメなのかというと、欧米人に比べ日本人は胴長短足、童顔が多く、子供っぽさ、つまり「カジュアル」な要素を生来から持っています。そのため、意識的に「ドレス」に寄せる必要があります。また、日本のアパレル市場はカジュアルに偏っていて、街着でスラックスや革靴など「ドレス」ウェアを着こなしている男性は少ない。大半はデニムにスニーカーなので、「ドレス」に寄せるだけでおしゃれに見えやすいということがあります。
――具体的なアイテムとしては、まず黒のスキニーパンツと黒のシンプルなレザーシューズを揃えようという提案でした。
MB:男性のスタイルをキレイに見せる形は「I」「Y」「A」の三型あります。文字どおり、「I」は上下ともに細く、「Y」は上が太く下が細い、「A」は上が細く下が太いシルエットです。よく見ると、三型のうち、二つは「下が細い」わけです。つまり、ボトムスは細いほうがシルエットづくりは簡単になります。そこで、オススメしているアイテムがユニクロのスキニーフィットテーパードジーンズの「黒」です。コストパフォーマンスでいえば、世界中を探しまわってもこれ以上のスキニーパンツは存在しないでしょう。残念ながら、ユニクロにはレザーシューズが販売されていないので、靴はなるべくシンプルで薄底の短靴、もしくはレザーブーツをオススメしています。「革靴は高い」というのであれば、黒のコンバースオールスターのハイカットでもいいでしょう。
⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=919081
――なぜボトムスは「黒」なのでしょうか?
MB:これには明確な理由があって、脚長の視覚効果を狙っているからです。テレビやパソコンモニターをイメージしてほしいのですが、フチが黒と白ではどちらが大きく見えるでしょうか? 答えはもちろん黒で、フチと画面の見分けがつかなければ、全体は大きく見えます。ボトムスも同様で、黒のスキニーパンツと黒靴にすることで境目をごまかして脚長に見せるわけです。一方、インディゴデニムに白のスニーカーだと、境目がハッキリと明確になり、足の長さはごまかすことができなくなります。
――そういった着こなし方のルールを知るだけでファッションは随分ちがったものになりそうです。
MB:大原則として「ドレスとカジュアルのバランスを7:3にする」。これだけでも印象は激変します。ユニクロでもなんでも洋服を買うときは、常に意識してみてください。そのうえ、「ボトムスから揃える」「形は『I』『Y』『A』で整える」。さらにもう一つ、「色はモノトーン+一色に抑える」というルールを実践すれば、街で「あの人おしゃれだよね」と言われるレベルにまでは簡単に達することができます。よく「服を買いに行く服がない」とネタにされることがありますが、ユニクロに行く服くらいはあるはずです。ちなみにこの写真は、ニットは無印良品ですが、Tシャツとスキニーパンツはユニクロです。靴はクラウンといってイギリスのダンスシューズで1万程度で買えます。私は白を履いていますが、黒であれば、まさに先ほど指摘したシンプルで薄底の短靴になります。総額2万円以下のコーディネートなので、「おしゃれ」にはお金もセンスも必要なく、ロジックさえ知れば十分だということがわかるはずです。
⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=919095
ファッションがここまで論理的だったとは……まったくの初耳である。これまで、ショップスタッフやファッション誌はいったい何を教えてきたというのだろうか。MB氏の新刊『最速でおしゃれに見せる方法』はまさに、教科書だ。氏の言う「日本人男性のファッションの底上げ」が実現する日が近いのかもしれない。 〈取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/難波雄史〉
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【MB】
メンズファッション専門のバイヤー(@MBKnowerMag)。年間数十のブランドの展示会に足を運び、買いつけを行う。年間取引量は億を超える。子供の頃から“狂うほど”洋服が好きで、ファッション業界に知悉している。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法(www.neqwsnet-japan.info)」が話題に。また、メルマガ「最も早くオシャレになる方法(www.mag2.com/m/0001622754.html)」では、「安くてオシャレになるアイテム」を紹介し即完が続出。「まぐまぐ大賞2014年【有料部門】ライフ」にて大賞受賞。ニコニコ動画ではブロマガと生放送「MBチャンネル」もスタート。女子SPA!でも「レディースファッション」に関するコラムを連載開始。ファッション誌では読めない歯に衣着せぬ言説が注目されている。自身のブランド「MB」にてスキニーパンツを発売したところ、5分で完売! 9月17日に初の著書『最速でおしゃれに見せる方法』を扶桑社より発売ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
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