「旅に出たら誰もが芸術家に変身する」 とはよくいうが(よく、はいわないかもしれないが)、 たとえば、沖縄に行けば、 どんな場所でカメラのシャッターを切っても、 いっぱしのゲージュツ的な写真が 無造作と言ってよいくらいの確率で 撮れたりしてしまう。 「やっぱ、光が(都内とは)違うからねぇ」 と、知り合いのカメラマンは指摘する。 それはたしかにそのとおりだと思う。 沖縄だろうがハワイだろうが中国だろうがロンドンだろうが北極だろうが、 いつも浴び慣れているものとは 明らかに異なる光が 被写体を新鮮に照らし、 撮る者はもちろん、 そのあがってきた“作品”を見る者までもの 感受性を刺激するのだろう。 さらに、 私なんかは 旅に出ると、 「せっかく見慣れない風景が まわりにいっぱいあるんだから、 少しでもいっぱい カメラに収めとかなきゃ!」 と、持ち前の貧乏性に ターボかかかってしまう のである。 旅に出た私は、まるで 朝食バイキング を目の前にした 私のように、 ハンターのごとく、 全身からギラつきを放つ 挙動不審な男と化すのであった。 <キャプション> 以下すべてネパールにて。標識撮ってもゲージュツ的!