検索
新着
ニュース
エンタメ
ライフ
仕事
恋愛・結婚
お金
スポーツ
グラビア
サブスク
トップ
日刊SPA!PLUS
歴史博物館は、歴史の面白さを伝えられるか(1)――広島、新潟の両県立歴史博物館の優れた展示
2016年10月31日
歴史博物館は、歴史の面白さを伝えられるか(1)――広島、新潟の両県立歴史博物館の優れた展示
育鵬社編集部M
広島県立歴史博物館で展示されている「幻の町・草戸千軒」の実物大再現
わが国は歴史の古い国であり、日本各地には、その悠久な歴史を映した貴重な史跡や文化財が数えきれないほど多数ある。 この歴史・文化遺産を活用した歴史博物館(名称は資料館や記念館、あるいは考古館などさまざまである)が、公立(県立や市立)や財団などによって数多く設立されている。 筆者も各地を訪ねた折に、そうした歴史博物館をできるだけ訪問しようと心がけてきた。 印象深い歴史博物館はいくつかあるが、とりわけ広島県立歴史博物館(広島県福山市。愛称=ふくやま草戸千軒ミュージアム)と新潟県立歴史博物館(新潟県長岡市)は、その展示内容に興味が引かれ、歴史の面白さを感じることができた。
幻の町・草戸千軒を展示する広島県立歴史博物館
例えば、広島県立歴史博物館は、鎌倉時代から室町時代にかけて、海と陸の交通の要地に位置し、交易の場として栄えた「草戸千軒(くさどせんげん)」の船着場や市場の様子を実物大で再現し(上の写真参照)、さらに、当時の街並みを60分の1のスケールの模型で再現している。 この草戸千軒という町は、江戸時代中期の書物に、洪水で流されたとも読める記述があったが、その他に具体的な記録がなかったため、遠い昔の伝説として忘れ去られていた。 ところが、河川工事によって大量の古銭が発見されたことを契機に、1960年代以降、本格的な発掘調査が行われ、「幻の町」とされていた草戸千軒の存在が実証され、その姿が復元されたのである。
秀逸な新潟県立歴史博物館の縄文展示
次に、新潟県立歴史博物館の縄文展示は秀逸だ。縄文時代の人々の暮らしぶりを等身大のスケールで再現している。 冬の狩り、春の採集、夏の海、秋の広場と四季に分け、綿密な考古学の研究成果を基に、手に取るように暮らしぶりが分かる。 また、矢じりやナイフに使われた黒曜石や飾りに使われたヒスイの原産地は、日本列島で限られていたが、これまで各地の縄文遺跡から見つかっている。 丸木舟を利用し川や海を移動するなど、広い地域で物々交換などの交易が行われており、日本列島には「縄文文化圏」といえる優れた文化があったことが、展示内容から理解できる。 広島、新潟の両県立博物館とも、まるでその時代にタイムスリップしたような感動が味わえる展示となっている。 近年、各地の県立や府立、さらに市立の歴史博物館は、児童・生徒に歴史の面白さを知って欲しいという願いと、さらに観光の目玉の集客装置とすべく、展示内容を充実させ、大幅にリニューアルする施設も出てきた。 そうした有意義な歴史博物館については、改めて本サイトで追々紹介していきたい。(続く) (文責=育鵬社編集部M)
育鵬社編集部M
⇒日刊SPA!PLUS 記事一覧に戻る
おすすめ記事
ハッシュタグ
PLUS
博物館
歴史,教育
Tweet
シェアする
日刊SPA!の人気連載
誰が為にか書く~北関東の山の上から~
インタビュー連載『エッジな人々』
マネー(得)捜本部
メンズファッションバイヤーMB
ゼロ恋愛 〜経験値ゼロから学ぶ恋愛講座〜/堺屋大地
ファストファッション、全部買ってみた
ゴーマニズム宣言
少年インザフッド
美女地図
連載一覧を見る
ハッシュタグ
PLUS
博物館
歴史,教育
Tweet
シェアする
おすすめ記事
24時間更新
人気ランキング
ラーメン店の廃業が急増!山岡家、一風堂、丸源ラーメン…「有名ラーメンチェーン」の...
2024年12月11日
パチンコ店の“大量閉店ラッシュ”が止まらないワケ。ホール関係者が語る「絶望的な未...
2024年12月12日
「なんやワレ!」軽自動車に横並びで怒鳴り散らしてきた“あおり運転”の若者が一瞬で...
2024年12月12日
“あおり運転”してきたセダンの運転手が顔面蒼白で立ち尽くしたワケ「相手の顔をよく...
2024年12月11日
高速道路で“軽自動車を煽り続ける”70代の老人。まさかの言い分に唖然…――仰天ニ...
2024年12月16日
新着記事
【東出昌大 vol.23】今晩の焼き肉をかけて……野営の前に、鹿の群れを追う
2024年12月18日
鉄ちゃんの憧れ「サンライズ出雲」伝説の車掌・62歳。最後の寝台列車への想いを語る
2024年12月18日
新トランプ政権下で期待できる日本株は?ドンキほか米国進出銘柄を識者がズバリ
2024年12月18日
給料の約半分も取られている!気づいていない税金・社会保険料の“ステルス値上げ”はこんなにある
2024年12月18日
無印良品のアウター「ほぼデザイナーズブランド」「洗濯機で丸ごと洗いが可能」完売前に買っておきたい“3つの最高傑作”
2024年12月18日
孤独のグルメ~食文化応援企画~
ビール2:黒ビール1。人気の『マルエフ』を「ワンサード」で飲んでみた!
2023年11月20日
PR
美味しいビールで酷暑を乗り切ろう!孤独のグルメ原作者が熊本の名店で『マルエフ』を味わう
2023年08月10日
PR
『孤独のグルメ』のオリジナル デジタルトレカがもらえる!「ひとり飯をみんなで楽しむプロジェクト」の第一弾がスタート!
2022年12月02日
HARBOR BUSINESS Online 一覧
中国「秘密警察」が日本人にも接触。日本のカルト教団なども監視か
2024年04月04日
サッカーW杯日朝平壌決戦の行方。カギは定期便と人的往来再開か
2024年03月06日
政治の犠牲になった能登地震<著述家・菅野完>
2024年02月09日
勝SPA!一覧
スマスロで「Hooah!」が復活!新時代の「スーパービンゴネオ」が満を持して登場
2024年12月17日
継続率90%の「ラッキートリガー」がアツい!新台SAOは“ライトミドル最高峰”の爆発力に期待
2024年12月16日
スマスロ新台「ダンベル何キロ持てる?」がアツい!“高純増ATの破壊力”が魅力の一台に
2024年12月16日
はじめての副業一覧
50代女性がタイミーに挑戦してわかった、自由な働き方の“光と影”。クレーマー対応や謎の時給カットも…稼げた金額は
2024年12月06日
いま注目の「地方で副業」。都会の会社員が、地方企業を手伝うスタイルが増えそうなワケ
2024年11月03日
副業でセクシービデオに「エキストラ出演」するアイドル。どうしても“お金を稼がなければいけない”理由
2024年10月10日
募集
女子SPA!「佐伯ポインティ新連載」不倫にまつわるお話を聞かせてくれる女性を募集中!
2024年06月28日
<扶桑社 採用情報>のお知らせ
2024年03月12日
週刊SPA!編集部 編集者募集!
2023年03月08日
インフォメーション
”しーなちゃん”のセクシーな秘蔵カットを大放出!週刊SPA!のサブスク「MySPA!」続々更新中!新規会員は初月99円で読み放題
2024年12月06日
写真集シリーズ『旬撮GIRL Vol.21』本日発売! すみぽん、坂巻有紗、豊田ルナ、石浜芽衣、鹿目凛、林ゆめが登場
2024年12月05日
中川心のグラビア設定を視聴者が決める!「グラビア生会議」アーカイブ公開中
2024年12月03日
週刊SPA! 最新号
週刊SPA!12/24号(12/17発売)
ときちゃん
Amazonで購入する
定期購読する
バックナンバーはこちら
SPA! 最新の関連書籍一覧
半信半疑のリテラシー
金利で損しない方法、教えてください! 人気FPが教える金利上昇時代の「お金の新ルール」
歴史博物館は、歴史の面白さを伝えられるか(1)――広島、新潟の両県立歴史博物館の優れた展示
広島県立歴史博物館で展示されている「幻の町・草戸千軒」の実物大再現
幻の町・草戸千軒を展示する広島県立歴史博物館
例えば、広島県立歴史博物館は、鎌倉時代から室町時代にかけて、海と陸の交通の要地に位置し、交易の場として栄えた「草戸千軒(くさどせんげん)」の船着場や市場の様子を実物大で再現し(上の写真参照)、さらに、当時の街並みを60分の1のスケールの模型で再現している。 この草戸千軒という町は、江戸時代中期の書物に、洪水で流されたとも読める記述があったが、その他に具体的な記録がなかったため、遠い昔の伝説として忘れ去られていた。 ところが、河川工事によって大量の古銭が発見されたことを契機に、1960年代以降、本格的な発掘調査が行われ、「幻の町」とされていた草戸千軒の存在が実証され、その姿が復元されたのである。秀逸な新潟県立歴史博物館の縄文展示
次に、新潟県立歴史博物館の縄文展示は秀逸だ。縄文時代の人々の暮らしぶりを等身大のスケールで再現している。 冬の狩り、春の採集、夏の海、秋の広場と四季に分け、綿密な考古学の研究成果を基に、手に取るように暮らしぶりが分かる。 また、矢じりやナイフに使われた黒曜石や飾りに使われたヒスイの原産地は、日本列島で限られていたが、これまで各地の縄文遺跡から見つかっている。 丸木舟を利用し川や海を移動するなど、広い地域で物々交換などの交易が行われており、日本列島には「縄文文化圏」といえる優れた文化があったことが、展示内容から理解できる。 広島、新潟の両県立博物館とも、まるでその時代にタイムスリップしたような感動が味わえる展示となっている。 近年、各地の県立や府立、さらに市立の歴史博物館は、児童・生徒に歴史の面白さを知って欲しいという願いと、さらに観光の目玉の集客装置とすべく、展示内容を充実させ、大幅にリニューアルする施設も出てきた。 そうした有意義な歴史博物館については、改めて本サイトで追々紹介していきたい。(続く) (文責=育鵬社編集部M)