大人の引きこもりが増えているという衝撃

引きこもり

引きこもりが増えている


 日本では引きこもっている子どもが多いという話は、テレビニュースや新聞の記事で見た記憶があるという人が多いと思う。ただ、その引きこもっている少年たちがすでに大人となり、そして中年になっているという現状を知ると愕然とするだろう。

 そうはいっても、冷静になって現在の日本の社会状況を考えてみると、引きこもりが高齢化していくのも仕方のないことだと感じる人も多いと思う。

 歴史的にいうと、1960年代以降、すでに中高生による不登校(登校拒否)が問題になり始めている。現在においても「不登校の子ども」は社会問題だが、彼らのなかに、家に引きこもっている子どももかなりいるようだ。

 それが、昨今では、不登校のまま大人になっても引きこもりが続いているケースが多くなってきた。また、大人(一旦、社会に出た後)になってから引きこもる人が多くなってきたこともあって、引きこもりの大人が増加しているらしい。

大人も引きこもり数がわからない


 現在、大人の引きこもりの数は把握されていない。というのも、国が把握する引きこもり者数は、未成年の15歳から39歳までで推定54万人(内閣府2016年発表)というものだけだ。

 そもそも、引きこもりをもつ家庭が外部に相談をしていない場合は、カウントされないままとなり、正確な数字を把握できずに推定値となる。

 1人ひとり家庭環境が違い、引きこもりに至る理由も異なっているなかにおいて、引きこもる人たちを更生させるための「正解」というものはないのだろう。

 現在では公的機関であれ民間であれ、引きこもりの子供(大人)を抱える家族が相談できる場所があるのだが、逆にいえば、ある程度の相談窓口があることが、引きこもりの人数の多さを証明しているともいえる。

 なかなか表に出にくい、でも徐々に人数が多くなってきているということで、大人の引きこもりを減らすための対策が早急に必要とされるなか、積極的に引きこもりの解決を目指す団体も増えてきた。

ワンステップスクールの活動


 例えば、登校拒否や引きこもりの人たちの更生支援を行うワンステップスクールは全寮制のフリースクールで、入寮した人たち(未成年と大人)が医者や自立支援スタッフたちに見守られながら、それぞれの状況に応じて自立への道を歩んでいく。

 この学校で校長を務める廣岡政幸氏(『「おとなの引きこもり」を救え!』の著者)によると、学校に対してはフランス、韓国、タイなど、外国のマスコミからの取材があったそうだ。

「HIKIKOMORI」を日本の社会問題としてとり取り上げる国もあれば、自国でも同じ状況が始まっているという問題意識で取材をする国もあるというのだ。

「引きこもりは」を自力で解決するのは簡単なことではないし、かりにできたとしても時間がかかることが多い。であれば、引きこもる人に対して、社会の側が積極的に解決を目指すべきで、どれだけコミットしていくのかが大切なのではないか。

 いずれにしろ、真っ先に行うべきは、国として引きこもりの実態をつかむことだろう。たとえ完璧にはいかなくても、実数調査が必要なのではないだろうか。

(文/扶桑社編集部M)

「大人の引きこもり」を救え!

引きこもってしまった人を社会復帰させる支援を行っているワンステップスクール校長による活動記録。





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