今回の総選挙においては、連合の立ち位置が分かりにくかった

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希望の党と民進党


 10月22日に行われた衆議院選挙。小池百合子東京都知事が希望の党を立ち上げた9月25日(安倍総理の解散会見の日でもある)から考えると、この1か月間で日本の政治状況は大きく変わった。

 安倍総理大臣の解散報道を皮切りに、民進党からの離党者が出始め、希望の党の設立。民進党から希望の党への合流を前原代表が決断。その後の小池知事の「排除発言」と枝野氏による立憲民主党の設立という道を辿り、投票日前までに、日々、めまぐるしく状況が変化していった。

 選挙結果はご存じのとおり、自民党の勝利と希望の党の敗北、それにブームが起きた立憲民主党の大躍進ということになった。しかし、選挙が終わってからも、「希望の党より離党者が出て、立憲民主党、そして民主党のベテランを中心に無所属で戦って当選した無所属の会が再結集するのではないか」といわれている(枝野立憲民主党代表は否定しているが)。

 もともと民進党は退潮ぎみだったとはいえ、衆議院で90人以上を誇り、民主党として政権まで担った野党第1党であったが、近頃は支持率が1桁台まで低下していた。総選挙まえに民進党のままでは選挙を戦えないと現職議員の多くが口にしており、事実上の解党に至った民進党の分裂の経過を当然のことと見る評論家も多い。

 小池知事と前原代表による決断で希望の党として総選挙を戦うことが決まったあと、あらためて両代表は民進党の支持団体である連合に出向き、選挙に際しての支持を依頼した。一方の立憲民主党枝野代表も、同じように連合に応援を依頼している。

民進党の分裂


 民進党の分裂に伴い、マスコミは民進党が持っている100億ともいわれる「お金」の動きを報道していたが、政治資金と同じように重要なのは民進党の地方組織をどうするのか、そして希望、立憲のどちらにとっても、地方組織を支える連合の支援をどう受けるのかという点だろう。

 民進党の候補者がバラバラになったことに対して、連合としては「民進党」出身者を中心に引き続に応援する姿勢を示した。しかし、希望の党が掲げた政策とは完全に一致しておらず、希望の党を全面的に支援するというところまではいかなかった。

 ただし、これは小池知事による「排除発言」と彼女が立候補をしないことで、希望の党への期待が急速にしぼみ、希望の党が過半数の議席を取ることは不可能だろうといわれていたので、連合としても腰が引けたということもあるのではないだろうか。

連合も混乱


 そもそも連合は日本の労働組合におけるセンターとなっている。巨大組織であるがゆえに、政治に対して大きな影響力をもっており、組織として民進党の最大の支持基盤とされている。現在、50を超す団体が連合には加盟しており、600万人以上の組合員がいる。主な組合はUAゼンセン、自治労、自動車労連、電気連合などである。

 政治的には彼らが民進党の地方の組織を支援し、選挙になると大きな力となる。自民党は業界や団体の組織中心に選挙を行うという言い方がなされるが、民進党も同じように組織を総動員して選挙を戦っており、選挙戦術のベースということでは民進党と自民党との差はあまりない。

 そんな組合の政治活動の中で、自治労など公務員の政治活動に対しては政治的中立性の観点から批判されることも多い。公務員の政治活動については、議会や住民によるチェック機能をしっかり働かせることが、彼らの過剰な活動に対する歯止めとなる。
(育鵬社編集部A)

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