高橋洋一氏は現代日本の救世主か③――安倍政権は、愛国的左派政策で失業率を劇的に低下させた

『平成29年版 労働経済の分析』より。真ん中の青色囲みの民主党政権、オレンジ色囲みの第二次安倍政権の時期区分のみ引用者が付け加えた。

劇的な経済指標の良化


 さらに高橋洋一氏は、近刊の『愛国のリアリズムが日本を救う』で次のように記述する。

「筆者は常々経済政策の最大の目標は失業率を減らし雇用を増やすことと述べているが、これまでは順調に推移していると見ることができるだろう。基本的にどの政権もすべての人に職があることを目指すべきだ。職があれば、社会の安定にもつながる。例えば、失業率が低くなれば、自殺率は顕著に下がるし、犯罪率も下がる。社会問題のいくつかは、失業率を低下させることである程度は解決するのだ」(本書、70~71ページ)

 高橋氏は、「失業率を減らし雇用を増やす」ことが「これまで順調に推移している」と述べているが、果たして実際はどうなのか。冒頭のグラフを見ていただきたい。

 このグラフ①、②は、厚生労働省が昨年2017年9月29日に発表した、「平成29年版 労働経済の分析」の図版に、民主党政権時代と現在の安倍政権時代を明確にするため、その時期を色分けした以外は、手を加えていない客観的なデータである。

 まず、グラフ①「GDP(名目・実質)の推移」である。第二次安倍政権は2012(平成24)年12月末に発足し、高橋洋一氏もプラン作りに参画した「アベノミクス」が翌2013年から発動する。民主党政権時代と比して、GDP(国内総生産)が劇的に増え続けていることが一目瞭然である。

 次に、グラフ②「完全失業率と有効求人倍率の推移」を見てみよう。これも劇的に良化しており、完全失業率は、4%半ばから2.8%という低さである。

グラフ③為替レートと訪日外国人の推移、グラフ④業種別経常利益の推移

仕事を通して自己実現を図るという「人生の真髄」


 さらに、上のグラフ③、④を見て欲しい。グラフ③「為替レートと訪日外国人の推移」は、『愛国のリアリズムが日本を救う』の102ページに掲載されているものだが、アベノミクスの発動で為替が円安傾向となり、それに呼応するように訪日外国人(インバウンド)が過去最多を更新中であり、昨年(2017)は実に2869万人、訪日客消費額は4.4兆円というマーケットとなっている。

 グラフ④「業種別経常利益の推移」を見ると、リーマンショック(2008年9月)の後遺症の年となった2009年は、製造業の落ち込みは危機的であった。その後、アベノミクスとともに、経常利益が順調に増えている。

 株価の推移グラフは、ここには掲載していないが、企業業績の回復により、順調に右肩上がりで推移している。また、賃金も上昇している。他方、企業の倒産件数も、リーマンショックとその翌年の2008年、2009年の年間1万5000件強から、2016年には8400件ほどに大幅に減少している。

 こうした経済指標の良化に伴い何よりも重要なことは、自殺者数も年間3万人を超えていたものがその後減り続け、2017年には2万1140人(速報値)と減少している点だ。

 人間は、自己実現欲求が適えられれば、厳しい状況の中でも希望を持って生きられる。そして多くの人は、職場での仕事を通して自己実現を図る。そのため、雇用が大事になる。
繰り返すが、この「人生の真髄」を、御身安泰な識者と呼ばれる学者、エコノミスト、編集委員、さらには手厚く身分保障されている官僚などは、実感として感じられないのではないか。

 冒頭に記したように、波乱万丈の人生を歩んできた高橋洋一氏は、「経済政策の最大の目標は失業率を減らし雇用を増やすこととだ。……職があれば、社会の安定にもつながる。例えば、失業率が低くなれば、自殺率は顕著に下がる」と述べており、アベノミクスの発動により、これを見事に実現したのである。

 現在の安倍政権に関しては、さまざまな評価があるが、この一目瞭然のグラフや経済指標の数字を見れば、「好き嫌い」は別にして、相応の評価を与えなくてはならないだろう。(【4】に続く)

文責=育鵬社編集部M

愛国のリアリズムが日本を救う

愛国に右も左もない。あるのは、日本に対する責任感だ! 左派リベラルの観念論を論破し、国益と政策的合理性の追求を解き明かした渾身の書





関連記事