丸山議員の「戦争」発言の影響

酒乱の振る舞い

 日本維新の会の丸山穂高衆議院議員が、北方領土へのビザなし交流訪問団の一員として参加した際に、同行記者からの取材を受けている団長に対して、話に割って入るかたちで「暴言」を吐いたと報じられた。 「北方領土を取り返すには戦争しかないのでは…どう思います」との発言をしたが、団長への取材中だったため、彼の発言が全てテープに録音されていたのだ。  周りの参加者も、丸山議員がすでに、かなり酒に酔った状態であることを認識しており、手がつけられないほどだったらしい。  翌日、丸山議員は謝罪したが、「酒に酔っての暴言」では済まされなかった。帰国後、この件は大きく報道され、野党も一斉に非難した。  最初は厳重注意くらいで収まると思っていた松井日本維新の会代表も、時間をおかずに党からの除名を決めた。  そもそも丸山議員は若手の論客としてタブーに切り込むような質問を国会で行っており、保守系の支持者には評判がよい議員であった。しかし、酒癖の悪さは以前から有名だったようで、たびたび問題を起こしては、謝罪を繰り返していたそうだ。  丸山議員の酒乱に近い振る舞いが明らかになるにつけ、たとえ支持者であっても彼を擁護することは憚られる空気になっていった。

姿を消した丸山議員

「戦争によらないと領土問題の解決は不可能」という趣旨の発言自体、それが討論会での発言であれば、批判されたとしても、議論としてはあり得ただろう。  しかしながら、「戦争」以外の発言での醜態が明らかにされると、もはや弁解の余地はなくなった。  事態を収拾したい日本維新の会は、丸山氏の辞職決議を各党に働きかけただけでなく、党幹部が大使館に謝罪に赴いた。すると、今度は党の姿勢に対して、保守層がかなり反発するなどの反応が起こった。  外交問題への発展を懸念するとともに、領土問題の足を自党議員が引っ張って混乱を招いた党としての責任から、自党議員の不始末をお詫びするという日本的な謝罪の姿なのだろうが、当然、ロシアは政府もマスコミもこの謝罪を利用した。  この一連の出来事をロシア・マスコミも報道し、ロシア国民に対して「日本の議員は好戦的」ということと、ロシアが支配する北方領土が当然自国の領土であるという二つのイメージを強く印象づけた。  丸山議員は、当初、「発言の切り取り」などの主張をしたが、批判が一層強まると、表からは姿を消し、弁明の機会を調整していた議員運営委員会に対して2か月の病気療養の診断書を提出したままの状態となっている。  丸山氏も精神的に追い込まれたのかもしれないが、自らが招いた事態であることを考えると、説明責任を果たすのが国会議員の務めであろう。 参考:『左翼老人』森口朗著(扶桑社新書)





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