世界文化遺産から読み解く世界史【第75回:スペインの富の象徴――セビーリャの大聖堂】
ヨーロッパ屈指の大聖堂
セビーリャは16世紀の後半には人口が12万5千人に達して、首都マドリードをしのぐほどの繁栄を示していました。そこに建てられたスペインの後期ゴシック様式の大聖堂は、幅76メートル、奥行き116メートルという、ヨーロッパ屈指の規模を誇るもので、スペインの富の象徴でもありました。アルカサルという王宮もできました。 そして16世紀から18世紀にかけて、セビーリャは新大陸との貿易港として栄えたのですが、スペインの陰りがしだいに見えてくる一方、無敵艦隊を破ったイギリスやオランダが、スペインに取ってかわる機運を見せてきました。 (出典=田中英道・著『世界文化遺産から読み解く世界史』育鵬社) 田中英道(たなか・ひでみち) 昭和17(1942)年東京生まれ。東京大学文学部仏文科、美術史学科卒。ストラスブール大学に留学しドクトラ(博士号)取得。文学博士。東北大学名誉教授。フランス、イタリア美術史研究の第一人者として活躍する一方、日本美術の世界的価値に着目し、精力的な研究を展開している。また日本独自の文化・歴史の重要性を提唱し、日本国史学会の代表を務める。著書に『日本美術全史』(講談社)、『日本の歴史 本当は何がすごいのか』『日本の文化 本当は何がすごいのか』『世界史の中の日本 本当は何がすごいのか』『世界文化遺産から読み解く世界史』『日本の宗教 本当は何がすごいのか』『日本史5つの法則』『日本の戦争 何が真実なのか』『聖徳太子 本当は何がすごいのか』『日本の美仏50選』『葛飾北斎 本当は何がすごいのか』『日本国史――世界最古の国の新しい物語』『日本が世界で輝く時代』(いずれも育鵬社)などがある。ハッシュタグ
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