いま、なぜ『ヴェノナ』なのか
『ヴェノナ』復刊の意義
9月下旬に扶桑社から発売された『ヴェノナ――解読されたソ連の暗号とスパイ活動』(ジョン・アール・ヘインズ&ハーヴェイ・クレア著 中西輝政監訳 山添博史・佐々木太郎・金自成訳)が注目されている。 本書は、アメリカとイギリスの情報機関が、1940~1944年のソ連の暗号を解読した『ヴェノナ文書』に関する英文著作の日本語訳である。 実は、今から約10年前の2010年2月に、同様の日本語訳が一度PHP研究所から刊行されている。本書は、そういう意味においては、「復刊された」という位置づけになる。 2010年に『ヴェノナ』が刊行された際も、その刊行は、第二次世界大戦における「情報戦」の真実が明らかになったことで、読者に大きな衝撃を与えたが、そこから一般への広がりはあまり見られなかった。 その後、約10年。その間も歴史研究は進む。一方、『ヴェノナ』に書かれた「諜報戦」「情報戦」の真実が、よりリアリティーをもって一般の人々に感じられる世界が現出した。また、さまざまな情報がネットを通じて得られる時代になった。 そして「復刊」から約1カ月。予想を上回る反響となっている。 今回の「復刊」の意義について、倉山満氏・上念司氏・江崎道朗氏が『チャンネルくらら』で3回にわたる鼎談を行っているので、ご覧いただきたい。 『チャンネルくらら』 いま、なぜ『ヴェノナ』なのか。 読書の秋に、ぜひ『ヴェノナ』を手にしていただきたい。 〈育鵬社編集部〉ハッシュタグ
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