この世界の荒波をどう生きるか(1)

吉田松陰・高杉晋作・久坂玄瑞:縮小

明治維新を成し遂げた原動力としての日本人の志/吉田松陰(中央)・高杉晋作(左)・久坂玄瑞(右)

 

「日本復活」のために、私たちは何ができるのか

   国際関係アナリストで『ロシア政治経済ジャーナル』発行人の北野幸伯(よしのり)氏の新刊『新日本人道 この世界の荒波を私たちはどう生きるか』(育鵬社刊)が好評だ。    発売以来、アマゾン売り上げランキングでも、「日本論」のジャンルでベストセラーとなっている(2020年1月29日現在)。  本書について、著者自身がメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」で紹介記事を配信しているので、著者の承諾を得て、以下に転載する。 ★あなたが日本を復活させる方法(「ロシア政治経済ジャーナル」2020/1/19配信より) 2018年11月、私は約28年ぶりに日本に帰国しました。 19歳でモスクワに留学し、戻ってきたら48歳になっていた。 最初は、「浦島太郎」状態でしたが、徐々に慣れてきました。 今では、「モスクワ寒すぎ!なんであんなところに住んでいたのか……」(笑)と感じています。 (こう感じるのは事実ですが、モスクワの人たちは、ほぼ全員親日なので、28年間幸せでした。) 「昔も今も日本と日本人は、変わっていないな」 と思いました。 日々出会う人は、例外なく親切です。 日本は清潔で、安全で、自然がきれいで、冬でも晴れの日が多い。 (モスクワ、特に11月、12月は、晴れの日がほとんどありません。) しかし、いろいろな人たちと話をするなかで、わかってきたことがあります。 28年前、私がモスクワに留学した時、日本にあったのに、今は無くなったもの。 それは…………。 希望です。 大部分の日本人の心から、「希望」が消えていた。 日本の未来について、「明るい」という人が、全然いない。 保守からリベラルまで、ほとんどの人が、「日本の未来は暗い!」と断言しています。 そして、世界3大の投資家のジム・ロジャーズが、「日本人は、中国か韓国に脱出した方がいい!」というのを聞いて、「そうだよな~」などと考えている。 これは、極めて深刻な事態です。 なぜか? 「希望がない」というのは心の問題です。 ですが、心の状態は、言葉になり、行動になる。 希望のない心は、希望のない言葉、希望のない行動になる。 結果、「希望のない心」が予測したとおり、「希望のない未来」が訪れるでしょう。 ▼「心の状態」が未来を決める 私の学生時代の友達は、モスクワ大学を卒業後ドイツの企業に入りました。 ドイツの会社は、日本企業と比べると楽ちんです。 料理は料理おばさんに、掃除はお掃除おばさんにやってもらい、優雅な生活を送っていました。 しかし、「このままでは俺、成長しないな。もっとバリバリ働きたい」と思った。 それで、モスクワから日本に戻り、ベンチャー企業に入りました。 そこで彼は、自分が願ったとおり、「死ぬほど」働かされることになった。 彼はそのうち、「もう少し国際的に活躍したい」と思うようになりました。 それで、商社に入り、今は世界中を飛び回る日々を送っています。 私は、昔も今も、彼と頻繁に連絡をとりあっているので、「結果の前に意図(心)があったこと」を知っています。 ある知人の女性は38歳まで、ロシア語、日本語の通訳をしていました。 (今も、たまにしていますが。) 日本の芸能人やスポーツ選手の通訳もこなす、ほんまもんのプロです。 しかし、38歳になったとき、「私、結婚しようと思うの」と宣言しました。 この段階で、彼女には、彼氏すらいなかった。 ところが、1年後、私は彼女の結婚式で「乾杯」を歌うことになったのです。 皆さんも、是非周りの人たちを観察してみてください。 心の状態は、言葉と行動に表れます。 きっと、言葉通りの人生を送っているはずです。 なぜなら、言葉は、心の状態を表しているからです。 だから、日本国民の大部分が、「希望を失っている」というのは「深刻な状態」といえるのです。 ▼どうやって、あなたと日本に希望を取り戻す? というわけで、私たちが日本復活を望むなら、まず「希望」を取り戻す必要があります。 どうやって? いきなり「日本国に希望を!」といっても、難しいですね。 抽象度が高すぎて、現実感がわきません。 だから、まず私自身、あなた自身が希望を取り戻すところからはじめましょう。 これなら、誰の許可も必要ありませんし、今日からすることができます。 では、私自身、あなた自身は、どうすれば希望をとりもどせるのでしょうか? 言動の指針が必要です。 たとえば、戦前の日本には、言動の指針がありました。 1890年に出された「教育勅語」です。 それによると、日本国民は、以下のように生きるべきなのでした。 〈父母に孝行をつくし、 兄弟姉妹仲よくし、 夫婦互に睦び合い、 朋友互に信義を以って交わり、 へりくだって気随気儘の振舞いをせず、 人々に対して慈愛を及すようにし、 学問を修め業務を習って知識才能を養い、 善良有為の人物となり、 進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、 常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、 万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為につくせ。〉(現代語訳) 「軍国主義的」といわれる「教育勅語」ですが、読んでみると、極めて真っ当なことが書いてあります。 こんな言動の規範があったので、日本は急成長したのでしょう。 今、このような規範は、既述のように「軍国主義者的」とされ、排除されます。 天皇陛下も総理大臣も、このような規範を示すことはできないでしょう。 だから私たちは、一人一人、「私はどうやって生きるのか?」を決める必要があります。 私も7つ決めました。 これを言動の指針にしていただければ、あなたの心に希望の火が燃え始めます。 そして、繰り返し読むたび、あなたの内面は変化し、オーラは明るくなり、 その希望は、周りに伝播していくことでしょう。 「どんな指針ですか?」 ここでは長くなりますので、本にまとめることにしました。 好評発売中ですので、迷うことなくゲットしてください。 「日本の自立は、私の自立から」です。 「日本に希望がない???? なら、俺が日本に希望をもたらしてやろう!」 この本を読んで、皆さんがそう思っていただければうれしいです。 日本復活は、こんなところからはじまります。 明治維新だって、29歳で獄死した吉田松陰が、松下村塾の塾生に 「希望」と「大志」を植えつけたところからはじまったのです。 私たちも、無力感を脱し、日本に希望を取り戻そうではありませんか。 そう、日本を復活させるのは、 あなたです。 北野幸伯(きたのよしのり) 国際関係アナリスト。1970年生まれ。19歳でモスクワに留学。1991年12月、現地でソ連崩壊を目撃する。1996年、ロシアの外交官養成機関である「モスクワ国際関係大学」(MGIMO)を、日本人として初めて卒業(政治学修士)。1999年、メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」(RPE)を創刊。「わかりやすい!」「面白い!」「予測があたる!」と話題になり、読者数が急増しつづける。RPEは現在、会員数約6万人。業界最大手「まぐまぐ」の「ニュース、情報源部門」で日本一のメルマガである。また、2015年「まぐまぐ大賞」で総合1位を受賞。「日本一のメルマガ」と認定された。リアリズム大国ロシアの首都モスクワに28年滞在。アメリカや、平和ボケした日本のメディアとは全く異なる視点から発信される情報は、高く評価されている。2018年、日本に帰国。 著書に、『中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』(草思社)、『隷属国家日本の岐路』(ダイヤモンド社)、『プーチン最後の聖戦』『日本自立のためのプーチン最強講義』『日本人の知らないクレムリン・メソッド』(以上、集英社インターナショナル)、『中国に勝つ 日本の大戦略』『日本の生き筋』『米中覇権戦争の行方』(以上、育鵬社)などがある。 著者のメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」 (http://www.mag2.com/m/0000012950.html)
新日本人道

この世界の荒波を私たちはどう生きるか ロシア滞在28年で考えた日本復活への7つの指針

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