東京の“陸の孤島”を歩く――最寄り駅から15分以上かかる街は独自の発展を遂げている!?
過密気味のダイヤで縦横無尽に地下鉄が走っている東京都心にもかかわらず、なぜか最寄りの電車や地下鉄の駅から離れている「空洞地帯」と言えるエリアがある。
これらの地域は、アクセスの悪さゆえに住民の凝集性が高かったり、他地域からの流入がないために独自の発展を遂げているケースが少なくない。多様な人々が行き交う東京の街でも、際立って特徴的と言われる陸の孤島を3つ紹介しよう。
※Google Maps 35.717286, 139.746770
最初に訪れたのは国道17号(本郷通り)国道254号(春日通り)に挟まれた文京区小石川地区。麻布(港区)や牛込(新宿区)などとならび山手の外郭を成すエリアである。都心の一等地だけに小洒落たスタイルの飲食店が目立つ。付近には筑波大学附属高校など多くの名門校や大学関連施設が集まっており、学生や子供の姿が目立つ。
北に隣接する白山は一戸建ての住宅が立ち並び、住宅街は入り組んだ細い路地が続く。一方通行だらけで坂道も多い。地下鉄春日駅のほうへ足を向けると、地域住民の買い物客で賑わいを見せるえんま通り商店街に出る。
「文京さくらまつり」などでも知られる播磨坂、小石川植物園など、自然が豊かで公園も多いのも特徴だ。実はこちらの小石川地区、薄幸の石川啄木が北海道放浪後に移り住んだ終焉の地で、幸田露伴もこのあたりに居を構えていたことでも有名。徳川所縁の伝通院を中心に神社仏閣が溶け込んでいる。
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次に紹介する西麻布のようなハデさはないが、なんとも落ち着いたエスタブリッシュメントな雰囲気が漂い、山手外郭の風格が感じられた。
駅から最も遠い地点は小石川植物園周辺、御殿坂の坂下付近の地点。白山駅まで9分、茗荷谷駅まで13分、春日駅まで14分と相成った。
小石川(文京区):ハデさはないがエスタブリッシュメントな雰囲気漂う
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