【手書きガジェット対決】書き心地がイイのは?
何でもできる万能タブレットからデジタル手書きを追求した「enchantMOON」まで、続々と登場する手書きガジェット。5モデルを厳選し、書き心地一点に絞って、ペン習字の達人に実力をチェックしてもらった。
◆アナログ感のある感圧式か指でも快適な静電容量式か
デジタル文具からパソコンまで幅広いジャンルで、タッチパネル操作に対応したガジェットが増えているが、その構造は主に「感圧式」と「静電容量式」に分かれる。感圧式はパネルを押す物理的な圧力を検知して入力信号に変換する方式で、銀行のATMなどで古くから使われている。今回テストしたなかでは「ブギーボードJOT」と「電子ノート」が採用している。対する静電容量式はパネルに指やペンが触れると変化する電気的な動きを察知する構造で、スマホ用の定番だ。
「iPad」や「サーフェスRT」のタブレット勢はもちろん、手書きに特化した「エンチャントムーン」もこちらを採用。結果として、「紙のような手書き」を追求したとき、どちらの方式を選ぶかが重要なカギを握るとわかった。
◆「レスポンスが自然」と高評価だった感圧式
5台の書き心地を精査したのは、“日ペンの美子ちゃん”で知られる、ボールペン習字講座の監修と指導をしている田中鳴舟先生。「線が遅れて表示される感じがないのはやはり書きやすいね」と、感圧式の2台を高く評価した。が、総合評価はまた別。以下、個別に達人の批評を紹介していこう。
【Boogie Board JOT】
実勢価格4800円/キングジム
<文字を消すときだけ通電する黒板>
黒板のような8型サイズのパネルに、付属ペンや爪などで手書きできるメモパッド。上部のイレースボタンを押したときだけ通電し、画面を一瞬で消去する。書いた文字の保存機能などはない、シンプルなメモ用だ。サイズと重量はW147×D4×H246mm/約145g
⇒鳴舟先生の手書き文字【拡大画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=457206
★田中鳴舟先生の批評
「文字の出方は随一だね。インクの粘りを気にせずに筆圧調整だけで『はらい』ができるし、ひょっとしたらボールペンより綺麗かもしれない。教室で字を教えるときにも使えそうだね」と、5台中最高の評価。感圧式の非光沢液晶は、表面の摩擦も紙に近くなじみやすいのだ。その一方で、「液晶面に手を載せるとその爪跡が残るし、フレームの段差に手を置きにくい」といった難点も指摘する。
【enchantMOON】
実勢価格3万9800円/UEI
<ハードとソフトをゼロから作成>
8型の静電容量式液晶に専用のデジタイザーペンで書き込む、手書きに特化した高機能ガジェット。手書き文字から内蔵カメラやアプリが起動できるなど、高度なデジアナ融合を実現している。ハンドル込みの幅は180mmで高さは280mm。重量は699gとなる
⇒鳴舟先生の手書き文字【拡大画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=457215
★田中鳴舟先生の批評
「線そのものは思った通りの強弱がつけられるから、細部が表現できていいね。『とめ』や『はらい』がちゃんと出る」と、専用ペンによる書き心地に太鼓判を押す。もっとも気になるのは、ペンを走らせてから線が表示されるまでに生まれる若干のタイムラグだという。「週の中の『吉』を書くとき、後を追って線が出るから『冂』の中のバランスがとりづらかったね。あと、画面が滑るのも慣れるまで大変そう」。
⇒【iPad】【電子ノート WG-N10】の書き心地はコチラ https://nikkan-spa.jp/457177
【日ペンのボールペン習字講座】
在宅で学べる、学文社の「ボールペン習字講座」。イメージキャラの“日ペンの美子ちゃん”は昭和47年に誕生し、現在は5代目となる。公式サイトには、4代目を中心に、歴代美子ちゃんのマンガが掲載されている http://www.gakubun.co.jp/lecture/a01.html
― 「手書きガジェット」は紙を超えるか!?【1】 ―
『キングジム「Boogie Board JOT」』 書きごこちなめらか。新感覚の「電子メモパッド」 |
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