ペットショップで「売れ残った」コたちは譲渡会で救おう
景気回復がいまだに実現しない昨今、世の中の企業はさまざまな工夫をこらして“儲けが出るビジネスモデル”を考え出している。その仕組みに思わず納得してしまうものもあれば、一方で、「知らないほうがよかった……」と後悔してしまうものだってある。各業界をよく知る人物たちへの徹底取材をもとに、そんな知られざる“儲けのカラクリ”に迫った!
【ペット(犬)】仔犬は1か月成長するたび平均2万円ずつ値下げ。譲渡会で里親になる方法も
最近は低価格をウリにする激安店も多いペットショップ。「価格は各店舗の需要設定。そのため、店によってバラツキがあります」と内情を明かすのは、元大手ペットショップの社員で動物愛護団体ラブファイブ代表の岸大輔氏だ。
「もちろん犬種の相場もあり、今はトイプードルがダントツに高いです。多いのは40万~50万円ですがなかには100万円、逆に7万円程度で仔犬が売られている場合もあります。あと、生産者がチャンピオン犬を出したブリーダーの場合、相場以上に値がつきます」
一般的なペットショップでは、犬1匹の利益率を50~70%に設定。病気や障害などで販売できないケースもあり、そうしたリスクを加味して値段を決めるという。
「需要は仔犬のほうがあるため、成長に伴い毎月平均2万円ずつ価格を下げ、生後8か月を過ぎたら譲渡会を通じて里親を探してほしいと、現在は私たちの取り組みに賛同するショップも多く、業界全体での枠組みができつつあります」
ちなみに保健所でも犬を引き取ることができるが手続きが面倒で、犬種を選ぶこともできない。
「譲渡会では犬種も選択でき、審査基準が団体により変わる。ペットショップの関係者には怒られるかもしれませんが、ペットを飼いたい人は譲渡会も選択肢の一つに入れていただければ……」
【チェックポイント】
犬好きならペットショップだけでなく保健所や譲渡会にも足を運ぼう
【岸 大輔氏】
動物愛護団体ラブファイブ代表。犬猫の里親を探す譲渡会を定期的に実施。動物の殺処分撲滅に向けた啓蒙活動に取り組んでいる
― 消費者が知らない[原価のカラクリ]【3】 ―
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