【電王戦タッグマッチ観戦記2】三浦九段「GPS将棋が指せって言うからさ」
―[電王戦タッグマッチ2013]―
8月31日、東京・六本木のニコファーレにて『電王戦タッグマッチ』が行われ、ニコニコ生放送にて生中継された。『第2回 将棋電王戦』で激闘を演じた人間とコンピュータが「仲直り」してタッグを組み、トーナメント形式で優勝を争うという。いったいどんな将棋になるのか注目のイベントであった。
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◆第2局:▲船江五段&ツツカナタッグ – △三浦九段&GPS将棋タッグ
第2局は『第2回 将棋電王戦』の中堅と大将の対局。タッグそれぞれの過去の実績から普通に考えれば、三浦九段&GPS将棋タッグが強いはず。しかし、今回のコンピュータ側のマシン環境を考慮に入れると、単純に「GPS将棋>ツツカナ」とは言えない部分もある。
『電王戦タッグマッチ』のコンピュータ側は、すべて同じスペックの1台のパソコンで動かすことになっている。したがって、数百台のマシンをつなぐ前提で設計されているGPS将棋は、電王戦のときと比べると、かなり弱くなるはず(※)。一方のツツカナは、激指と並んで「マシン1台なら最強ではないか」と言われるほどコストパフォーマンスが高い。今回のマシン環境では「GPS将棋<ツツカナ」だったとしても、まったく不思議ではないのだ。
※同様のことは、Puella αとponanzaにも言える。
さらに、この日は都合によりGPS将棋の開発者が来場できず、日本将棋連盟の職員がオペレーションを担当。ツツカナは、もちろん生みの親である開発者・一丸貴則氏が操作。この点も、対局になんらかの影響があるかもしれない。
電王戦タッグマッチでは、GPS将棋は当日朝に公式リリースされていたバイナリを使いました。そう判断した理由はいろいろあるんですが、最大の理由は開発者のかたがおこしになれないGPS将棋だからこそ、最新の公式ビルドを使うことが棋士にとっても開発者にとっても礼儀なんじゃないかと思ったから
— MIRO (@MobileHackerz) September 1, 2013
なお、公式ニコ生将棋のTwitterアカウントには、休憩中の三浦九段のオモシロ写真も投稿されていた。
1局を終え、しばし(目の?)休息中、三浦九段のオフショットをどうぞ。-v- pic.twitter.com/VQbAJWAzal
— ニコ生公式_将棋 (@nico2shogi) August 31, 2013
⇒つづきを読む(https://nikkan-spa.jp/505149) ⇒【電王戦タッグマッチ観戦記1】 https://nikkan-spa.jp/505147 ⇒【観戦記2】佐藤四段「ディープインパクトに乗った武豊さんの気持ち」 https://nikkan-spa.jp/505149 ⇒【観戦記4】人間とコンピュータの未来を考えさせられた一日 https://nikkan-spa.jp/505150 ◆電王戦タッグマッチ|ニコニコ動画 http://ex.nicovideo.jp/denou/tag/ ◆日本将棋連盟モバイル http://www.shogi.or.jp/mobile/ ◆GPSshogi – PukiWiki http://gps.tanaka.ecc.u-tokyo.ac.jp/gpsshogi/ <取材・文・撮影/坂本寛>
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