「なぜアイドル業界はここまでカオス化したのか?」プロインタビュアー・吉田豪氏が分析

◆アイドルよりもファン上位。続けば面白い過剰供給時代

吉田豪氏

吉田豪氏

 過激なサービスを繰り出すグループも登場し、混沌を極めるアイドル業界。史上類を見ないほどファンとアイドルの距離が近づいたのは「やはりAKBの存在が大きい」と、長年アイドル業界を追跡してきたプロインタビュアー・吉田豪氏は言う。

「AKB48以前、たとえばハロプロでも握手会はやってましたけど、ファンは小走りを強いられるような1秒間の“早回し”でした。それがAKB48で5秒になり、会話できるレベルになった。アイドルの負荷を抑えようとしていた時代から、ファン上位の時代にスライドしたんです。倒れるほど体調が悪くても笑顔で握手、という」

 ファンとの距離が近づいた分、アイドルに求められるスキルにも変化が生じることに。

「ルックス、歌、ダンスの要素に加えて、好感度の高い握手の仕方や、ファンの顔を覚えておいて、握手会で会ったら『久しぶり~!』と言える記憶力も必要。もはや接客業なんですよ。加えて、ブログやツイッターも毎日こなす。とにかく仕事が増えているのに、ギャラは昔のアイドル同様に低いままだから、プロ意識が芽生えづらい。ファンと付き合って辞めさせられるケースにしても『このギャラで私生活まで縛られても……』と嘆いているコもいるでしょう」

 今後、アイドル業界はどこへ向かっていくのか?

「ファンの数に比べてアイドルが多い供給過剰なブームは去年がピークだと思ったけど、『あまちゃん』効果で延命しそうな勢いですね。まだまだビジネスチャンスと考える音楽や芸能の世界に無縁な畑違いの人たちも続々と参入してきそうです。今はアイドルが客席にダイブするのが珍しくないですけど、これまでのアイドルの常識や作法に縛られない人たちが、さらに想像を超えるグループを生み出す可能性もありますね」

 日々形態を変え、生き残りを図るアイドルたち。彼女たちのサービス戦争は今後どこに向かうのだろうか。

【吉田豪氏】
プロインタビュアー、プロ書評家。時代を一世風靡したアイドルのインタビュー集『元アイドル!』(ワニマガジン社)など著書多数

取材・文・撮影/過激化アイドル調査班
― 現役アイドルの[過激すぎるサービス]に密着【4】 ―

元アイドル!

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