カフェオレとカフェラテの違いは「コーヒーとミルクの配分」
よ~く考えると違いが曖昧な似たモノは多く、また、個人の主観で定義が変わることもある。そんな「似て非なるもの」の違いを改めて調査! 些細な言葉の違いに込められた意味になんだか納得、なのである
◆[ミネラルウオーター×ナチュラルウオーター]の違い
その水の味の違いは気にしても、「ミネラル」なのか、「ナチュラル」なのかを意識する人は少ないはず。
「『ナチュラルウォーター』は、特定水源から採った地下水を原水に、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの。その中で特に、地層中の無機塩類が溶けた地下水を原水としたものが『ナチュラルミネラルウォーター』。さらに『ナチュラルミネラルウォーター』が原水で、品質安定のためなどで特定の工程を踏んだものが『ミネラルウォーター』です」(日本ミネラルウォーター協会)
や、ややこしい……。が、この基準は農水省が定めたもの。一方、「ウインナー」と「ソーセージ」はJAS法に規格がある。
「ソーセージは、ボロニア、フランクフルト、ウインナーなどの総称。詰める皮の素材と太さによって異なり、羊腸ならすべてウインナーソーセージ。人工の皮の場合、20mm未満がウインナーソーセージです」(日本ハム広報IR部)
身近なだけに深く考えないのが、食べ物をめぐる似て非なるもの。
「カフェラテ」と「カフェオレ」もそう。料理研究家の森崎友紀氏によると、「ミルク入りコーヒーという意味では同じもの。カフェオレはフランス語、カフェラテはイタリア語の造語で、味の違いはベースになるコーヒーとミルクの量」。
カフェオレはドリップコーヒーをベースに、コーヒーとミルクの分量は5対5。ラテはエスプレッソ2割にミルク8割の配分だそう。
また大流行したパンケーキは、
「ホットケーキより砂糖少なめで、薄いものが多いですが、両者に大きな差はありません」(森崎氏)
「海外から有名店が上陸し材料も製法もほぼ同じなのに、いつしか現地で使われていた『パンケーキ』が定着した」(日本スイーツ協会)
そう、新たな流行で新しい呼び方が定着しやすいのがスイーツ界。その「スイーツ」だって、「デザート」とも「ドルチェ」とも言う。
「『デザート』は英語、『ドルチェ』はイタリア語で、ともに食後に食べるお菓子や果物のこと。『スイーツ』は、恐らくデパ地下がはやった頃に生まれた和製英語ではないかと。『デザート』も含め、甘いものすべて『スイーツ』です」(同)
こうした言葉の変化も「世界から新しい料理が日本にやってきて、多くは日本風にアレンジされます。それは好ましい変化で、名前ができるのもむしろ自然」と森崎氏。
似て非なる、新たな美味なるモノがやってくるのは大歓迎だ。
★農水省により厳密に規格。我々が飲んでいる多くは「ナチュラルミネラルウォーター」
― [似て非なるもの]の違いがわかる大事典【5】 ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ