野菜の盗難件数が増加。農家を狙う“組織的”野菜泥棒
―[組織的[野菜泥棒]が全国で暗躍中]―
ここ数年、農家から野菜が消える被害が後を絶たない。警察庁発表の統計では平成24年度の被害件数は3617件に上り、農家の規模からすればかなりの数字だ。
「親子で梨を盗んだり、近所のお婆ちゃんが盗っていったりする。犯人が行きつけの飲み屋の店長だったというケースもある。客の農場から盗んで店の料理に使っちゃうんだよ。無人販売所泥棒もいる。泥棒というか、一円玉しか入れねえの」(関東近郊の農家)
このように、手癖の悪い個人による万引レベルの事例も多いが、そうした範疇をはるかに超える被害が近年、急速に拡大している。
被害に遭った千葉県の農家、井川真則さん(仮名)は話す。
「畑から大根を20~50本くらい抜かれるんです。しかも1シーズンに5回もだよ。趣味なんてレベルじゃない、たぶん同じ連中だと思う。被害総額は2万円程度だけどさ。運びやすいように、その場で大根の葉を切って持っていってしまう。盗られるのは道路に面した場所が多い。道路に軽トラでも停めて積めば早いからでしょう」
またほかの農家は「もっと田舎に行くと夜中にトラクターが盗まれてると聞きますね。あまりに被害が出るようなので、被害情報を中古のトラクター屋に提供して売れないようにしてる」と話す。
農機具の盗難はよく聞く話だが、一体誰が、何のために野菜を盗んでいるのか?
取材を進めると暴力団、半グレ、一部の不良中国人が関係していることが判明した。背景には中国の経済事情が深く関連しているという。
⇒【次回】「日本の農家から盗まれた野菜が中国に流れている」に続く https://nikkan-spa.jp/613050
◆近年の野菜盗難事例
<2013.3.10>
滋賀県多賀町にて、20平方メートルに植えたニンニク250個が鎌で刈り取られる。その前年は同じ場所で20束分の赤ジソとタマネギ150個、さらに数年前にはジャガイモ20kgの被害が発生していた
<2013.4.18>
長野県松川町の障害者施設で施設利用者が栽培していたシイタケ約1000本が盗難被害。成長しきっていないものまで盗まれており、施設利用者と野菜購入会員の心に多大なるダメージを及ぼす
イラスト/子原こう
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