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1300万円の高級腕時計まで経費計上!? 話題の「骨膜整体サロン」で起きた“トンデモ横領騒動”の顛末

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約100店舗と全国展開しているフィラメント。芸能人やアスリートがお忍びで来るとか(写真はオフィシャルサイトより)

 整体の世界に新風を巻き起こし、芸能人も通う人気店に成長した美容整体サロンの「フィラメント」をご存知だろうか。  人気の秘密は“骨膜整体”という独自の施術法にあるようだ。ボディメンテナンスに詳しい女性誌のライターは、その内容について次のように語る。 「通常の整体は、脂肪と筋肉の間の“筋膜”にアプローチしますが、『骨膜整体』はさらにその深層にある、筋肉を通り越して骨に到達する直前にある“骨膜”にアプローチする独自の施術で、より深い効果が期待できると近年話題となっています。フィラメントの場合、骨膜整体技術を使った小顔矯正や姿勢の改善など、“美容”に特化したメニューが女性ユーザーの心を掴んだ最大の理由でしょう」  いわば“整体でキレイになる”がフィラメント最大の売りといっていいようだ。

創業者はSNSでも人気の美容インフルエンサー

 しかし今、そんな人気の整体チェーンのカリスマ社長にある深刻な問題が持ち上がり、騒動に発展している。  フィラメントを運営するのは東京南青山に本社を置く株式会社Filament(以下フィラメント)。2014年、現社長が高校を中退して宮崎市で設立。その施術のよさが話題となり、急成長を続けてきた。  現在国内外合わせ約100店舗、正社員数は約200名。売上は年間約30億円にも上る。創業者で代表取締役社長の川島悠希氏(31歳)のYouTubeチャンネル『美容整体師川島さん。』の登録者数は72万5千人にも上り、“美容整体系インフルエンサー”としても知られる人物である。  しかし、約1年前から川島社長をめぐるさまざまな“疑惑”が社内で持ち上がり、ここへきてついに株主までもが動き出した。株主の1人がXで現社長の不正を告発するポストを連投。700万を超えるインプレッションをあげ、大きな注目を集めているのだ。  その株主とは坂井秀人氏。フィラメントの大株主2名のうちの1人で、起業家としても知られる人物だ。いったい巷で評判の整体チェーンに何があったのか。坂井氏を直撃した。 「骨膜整体というアイデアと技術はたしかに素晴らしい。スタッフたちへの教育も行き届いており、資金さえ調達してあげれば私は必ずもっと伸びる会社だと思いました。それは今も変わりません」  坂井氏は、「資金繰りに窮している、助けてほしい」と川島社長サイドから1年前に相談され、知人の投資家と2人で株式の50%を取得。以降、創業社長の川島氏を鼓舞して、利益率20%を目標に掲げさせた。ところが、川島社長による会社のカネの横領も疑われる私的流用が次々と発覚。株主として坂井氏は何度も話し合いを持ってきたが、一向に改善されずに現在に至るという。

“私的流用疑惑”の数々

 坂井氏は続ける。 「骨膜整体の技術と優秀な施術スタッフのことは十分承知していましたから、最初はほんとに応援する気持ちで注意喚起してきたんです。ちょっと度が過ぎるんじゃないですかと。会社が十分に儲かっているならまだしも、まだまだ余裕のない段階でこれはないでしょうと。すると『これからは気をつけます』と素直に約束するのですが、数日後にはもう、1千万円以上の高級時計を会社のカネで購入したことが発覚したり、そんなことの繰り返しでした。これを放置しておくわけにはいなかないと昨年末からXの投稿で告発してきました」  本社の幹部社員の1人も言う。 「昨年はおよそ30億円の売上があったが、利益は0.7%程度にとどまり、一部社員の給料も川島社長によって一方的に減額されているという異常事態が起きていました。腑に落ちないことが続き、社内でも社長による“度を越した私的流用疑惑”が持ち上がるようになったのです」  どんな疑惑なのか。内部を知る複数の関係者の証言をもとに、ごく一部を以下にあげる。   ・高級時計を経費で購入(ヴァシュロン・コンスタンタン1300万円、パテックフィリップ600万円)など約2千万円 ・法人カードではなく、個人カードによる使途不明の“立替金”を会社に請求し着服 ・離婚した元妻への慰謝料の支払い ・現妻とその母親へ毎月給料を支払う(勤務実態なし) ・子供のベビーシッター代月40万円 ・高額の私的旅行代  並べてみると、成り上がり社長にありがちな“いかにも”な項目ばかりであるが、証言してくれた関係者はこう語る。 「会社のカネを自分の財布と勘違いしたような使い方。金銭感覚が完全に麻痺してしまっている。今のところ優秀な従業員のおかげで顧客も増え続け、順調に売上も伸びていますが、このまま社長の横領まがいのカネ遣いを放置しておけば、いつか大変なことになると危機感を抱く幹部社員も多いのです。高級時計だけでは飽き足らず、元妻への慰謝料や、今の奥さんや母親にも給与を支払っていたのですから。川島さんは、社長としての資質を今、問われているのだと思います」
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株主は今もフィラメントの未来を信じる
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