更新日:2014年05月14日 09:15
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地方の交通機関が「運賃据え置き」を決断した理由

4月1日から消費税が8%に上がった。各企業が一斉に値上げを行うなか、価格を上げたくても上げられない人々が存在する。ここで値上げしないとコストが増大して経営が危うくなるが、値上げすれば消費者や取引先は離れてしまう……。まさに「進むも地獄、戻るも地獄」に追い込まれた人々の叫びを聞いた ◆[交通機関]苦渋の決断。客離れを防ぐため減収覚悟で運賃はそのまま
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運賃据え置きは利用客にはありがたいが……

 多くの交通機関が運賃値上げに踏み切ったなか、あえて運賃を据え置いた交通機関もある。  茨城県の第三セクター、ひたちなか海浜鉄道は、「消費税引き上げにより、ご利用のお客さまの負担が増える影響を勘案した」と運賃据え置きの理由をコメント。同様に路線バスの運賃を据え置く京都交通は、「4月はあらゆるものが値上げされ、運賃も値上げすれば乗り控えを招く。利便性を高める増収策で対応したい」と説明する。  運賃を据え置いた別の鉄道会社は匿名を条件に、「運賃値上げに伴うシステム変更や駅の運賃パネルの交換などのコストがバカにならない。それにもともと赤字路線のうえ、運賃を値上げしたら客離れにより廃線に追い込まれる可能性があるとのシミュレーション結果が出た」と本音を明かす。  また、あるバス会社は、「来年10月には10%になり、わずか1年半のために費用をかけて新運賃に整備するのはもったいない。悩んだが、一度の運賃変更で済んだほうがいい」との経営判断で今回の運賃値上げを見送ったという。  運賃値上げと据え置き、どちらを選んでもいばらの道。また、こうした地方の交通機関の客足減は、地元の観光業にも大きな打撃を与えてしまうのだ。 ― [消費増税の悪夢]密着ルポ【4】 ―
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