ニュース

【追悼】「昭和が終わった気がする年」2024年に亡くなった著名人・有名人…思い出とともに振り返る

 昭和や平成に比べ、格段に有名人の訃報が多くなった令和。イギリスBBCの訃報担当編集長であるニック・サーペルは「テレビや大衆文化が花開き、有名人の数が一気に増えた1960年代から半世紀経ったことの自然な帰結だ」と述べている。第一次ベビーブーム世代も、そろそろ80歳前後。残念だが、自然の道理なのだろう。  というわけで、2024年に亡くなった著名人・有名人を偲んでいきたい。
渡辺恒雄さん

渡辺恒雄さん

【1月】冠二郎さん

 1月1日、歌手の冠二郎さんが心不全のため亡くなった。享年79歳。冠さんといったら「アイアイアイライク演歌~♪」の歌詞が度肝を抜く92年のヒット曲『炎』がまっさきに思い浮かぶ。なぜ、「ラブ」ではなく「ライク」なのか? いろいろな意味でものすごいインパクトの曲だった。  続く93年には、なぜかマイクを2本持ちながら歌う曲『ムサシ』で畳み掛けた。大谷翔平より30年近く早い“マイク二刀流”は、「演歌もここまできたか」とリスナーを唸らせるに十分な革新性。なにしろ、冠さんは自らの楽曲を“ネオ演歌”と名付けていた。  そのユニークなキャラクターで、バラエティ番組に呼ばれることもしばしばだった。忘れられないのは、『ダウンタウン汁』(TBS系)に出演した際の勇姿。ダウンタウンと今田耕司から「背中に入れ墨があるのでは?」と迫られ、意を決したようにシャツを脱ぎ始めた冠さん。それまで無責任に囃し立てていたダウンタウンも、冠さんの思い詰めた様子を見て顔面蒼白に……。結果、晒されたのは何も描かれていない冠さんのツルンとした背中であった。つまり、彼の背中に入れ墨はなかったということ。あまりに完璧な形で一本取られた、若き日のダウンタウン。なかなか見られない光景なので、今も鮮烈に記憶に残っている。

【1月】篠山紀信さん

 1月4日、写真家の篠山紀信さんが老衰で亡くなった。享年83歳。その時代を象徴する人物を撮り続けていた篠山さんだが、世界的に有名なのはジョン・レノンのアルバム『ダブル・ファンタジー』のジャケット写真だろう。ジョンとオノヨーコがキスをする瞬間を収めた、素晴らしい一枚だ。 「大物女優を脱がせるのがうまい」という一面に触れないわけにもいかない。特に、91年に発表された宮沢りえのヌード写真集『Santa Fe』(朝日出版社)の衝撃には震えた。未公開の予定だったものの後になぜか流出した、山口百恵さんのヌード写真を撮っていたのも驚きだった。  最近では、撮影中の藤原竜也に対し「射精しなさい」と注文したり、田中みな実が篠山さんの押しに負けてニップレスを外した話を明かしたり、老いてなお盛んであった。氏の逝去が報じられた当日、ライターの吉田豪氏がXに投稿した「逃げ切っちゃったなー。」というポストは意味深だ。
次のページ
エスパー伊東さん、利根川裕さん
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
おすすめ記事
ハッシュタグ