ニュース

【消費増税の実態】孫請けの町工場、増税分は自社負担に

4月1日から消費税が8%に上がった。各企業が一斉に値上げを行うなか、価格を上げたくても上げられない人々が存在する。ここで値上げしないとコストが増大して経営が危うくなるが、値上げすれば消費者や取引先は離れてしまう……。まさに「進むも地獄、戻るも地獄」に追い込まれた人々の叫びを聞いた

◆[町工場]孫請けだと取引先が増税分を支払わず自社負担に……

町工場

増税の影響で倒産する町工場も増えそう

 製造業を支える町工場は消費増税の影響で大打撃。神奈川県で町工場を営む武田順三さん(仮名・54歳)は、「ウチは中企業や小企業のさらに下の零細企業で、孫請けや曾孫請けばかり。4月になってからも納品価格は変わらず、増税分はこちらの自己負担です」と嘆く。

 つまり、商品の定価を抑えられた形になり、減収を意味する。

「これまで毎月の平均売り上げは消費税5%込みで約525万円。ところが、8%になっても据え置きになったことで実質的な定価が約500万円から約486万円になり、14万円のダウン。原材料の仕入れ額も増税の影響で毎月10万円近く増えて、単純計算で月の利益が24万円も減ることになります」

 同様に孫請けに発注した際、消費増税分の転嫁があやふやになり、立場の弱い側の企業が負担するケースはすでにほかでも起きている。

 町工場が集中する東京都大田区の某中小企業経営者はこう語る。

「大企業との取引であれば、消費者庁や公正取引委員会が目を光らせているので消費税を請求できるし、ちゃんと払ってもくれるのですが中企業同士、中企業と零細企業の取引のなかで段々とおかしなことになっていくのです」

 弱者が弱者を虐げるという、悲惨な現実が垣間見える……。

― [消費増税の悪夢]密着ルポ【1】 ―




おすすめ記事