今どき主婦たちの「勝ち組/負け組」の基準
―[[VERY妻]が急増中!]―
あなたは、奥さんの愛読誌を知っているだろうか? リビングルームの片隅に積み上げられたバックナンバーを確認してみてほしい。表紙では井川遥が微笑んでおり、手に取って見ればその殺人的な重さに腰を抜かす……それこそは昨今、日本中の主婦から“教典”として崇められる『VERY』である。
『VERY』にかぶれた主婦たち=「VERY妻」の実態に肉薄し、彼女らが望む「VERY的生活」を実現するために、いかにカネがかかるかをリポートする。とあるVERY妻(夫の年収2000万円のリアル金持ち)は、「世帯年収が1000万円はないと厳しいはず」と断言。だが、一見カジュアルな世界観に騙され、うっかり取り込まれてしまう庶民妻も少なくない。あなたの奥さんは、大丈夫だろうか……?
◆主婦の頂点を目指しムダな投資が止まらない!
VERY妻の「勝ち負け」は、「女としての人生を味わいつくしたかどうかで決まる」(佳奈子さん・34歳・世帯年収800万円)そうだ。したがって、同じ主婦でも子なしは価値がなく、子持ちが基本。それも「1人ではなく2人、2人より3人がエライ」(優子さん・37歳・世帯年収700万円)。なおかつ、「男の子と女の子が揃っているとバリューアップ」(同)なんだそう。こうした「主婦のヒエラルキー」の上位を目指し、VERY妻たちは今日も奮闘する。
「どうしても女の子が欲しくて、産み分けのカリスマと呼ばれる産婦人科医の元に通いました。通院費用は数十万円。先生の訓示どおり、夫には浅くしか挿入させないSEXを続けた結果、幸い女の子を授かったのですが、同じことをテレビでビッグ・ダディが言っていて呆然……」(同)
仕事も「専業」より、「ワーママ(働く母)」のほうが「やりつくした感」の演出に一役買うとか。ただし、あくまで演出なので、生活のための労働はパス!
「着付けの仕事がしたいと思って、資格の勉強を始めたんです」と微笑むVERY妻の真紀さん(33歳・世帯年収600万円)は、看護師の資格保有者だ。そっちのほうが、よほど家計の足しになると思うのだが……。仕事はあくまで「社会とのつながりを保つためのもの。自己表現の一環ですね」(同)。
その手段としてVERY妻から最高評価を得るのが「サロネーゼ」。
「自宅でサロンを開いて生徒さんを集めるんです。『子連れママのパン教室』みたいなのをやるのが(VERY妻にとって)一つの上がりなんですが、実際には家計からの持ち出しで運営している人も多いですね。サロンを開くには、人が呼べるほど家が広くて立地がいいことも条件。それをクリアできず、思い余って子供の幼稚園で自作パンの行商を始めた人も。園の庭先で、ビニール袋に詰めたパンをママ友に売りつける姿には鬼気迫るものが……」(佳奈子さん)
◆夫と子供のスペックを絶賛粉飾中!
「夫の肩書」も、当然ながら妻の序列に影響する。官僚や一流商社マンであるに越したことはないが、そうでなくとも「グローバルに活躍するエリート」くらいのハクは必要とされるのだ。
「そのために、最近では『駐在妻』を自称するのが流行っているんです。たかだか3か月間、語学留学するだけの旦那に無理やりついていって、それだけでは期間が短すぎるからと、旦那が帰国した後も半年間、現地に居座った奥さんまでいましたね」(佳奈子さん)
当然、妻の滞在にまつわる諸費用は自腹である……。
子供を「帰国子女」にすることも、VERY妻がノドから手が出るほど欲しがるステイタス。
「最低でも2年は現地にいないと帰国子女は名乗れないのに、半年程度の現地滞在で、『ウチの子は帰国子女だから英語保持が……』とか言ってる奥さんには笑っちゃいますね。とはいえ、私も『子供がインターナショナルスクールに通っている』と言いたいために、インターのサマースクールに子供を入れましたけど(笑)。お値段は、4日間で3万5000円でした」
果たしてその4日間で、お子さんはグローバルな人材に育ったのだろうか? 他人からすれば、カネをどぶに捨てているようにしか見えないが、VERY妻にとっては要らぬお世話というものなのだろう……。
【VERY妻の[勝ち組]】
●子供:男の子&女の子
●夫の勤務先:官僚、大手商社、都銀、医者など
●仕事:自己表現のための趣味的な仕事(サロネーゼなど)
●住まい:都心のタワーマンションor郊外の洋風一軒家
●旅行先:ハワイ
【VERY妻の[負け組]】
●子供:子なし
●夫の勤務先:中小企業、自営業
●仕事:生活のための労働
●住まい:23区辺境のマンション
●旅行先:国内
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