男女の新たな出会いの場「マッチングアプリ最前線」
ネットを中心に注目を集めた、今夜の飲み仲間とマッチングできるアプリ「JOIN US」。アプリの人気の秘密に加えて、マッチングアプリの最前線を専門家に聞いた
◆登録審査制で安全性の高いマッチングを提供
男女の新たな出会いの場として、多彩なサービスが提供されているマッチングアプリ。現在では、Facebookと連携したアプリが増加し、煩わしいデータ入力も必要なく、相手のプロフィール確認も容易などの利点から利用者も増えている。
そんな手軽さが魅力のマッチングアプリに、あえて“登録審査制”を導入して話題を集めるのは、ネット系サービスの運営を手掛けるgram30が、6月16日に公開した「JOIN US」だ。
これは、今飲んでいる人とマッチングして一緒にお酒が楽しめる、“飲み仲間発見アプリ”だ。
「登録審査制が珍しかったせいか、さまざまなメディアに取り上げていただき、公開後は我々が想定していた10倍以上の申し込みがありました」とは、gram30の代表取締役を務める内田洋輔氏。
「仲間内で誰が審査を通過するのか、ゲーム感覚で盛り上がることができたのも、申し込みの増加につながったと分析しています」
うれしい誤算を生んだ登録審査制だが、敷居の高い仕組みにしたのには、もちろん理由がある。
「『JOIN US』は、今夜、もしくは今すぐマッチングできるのがウリです。ただ、知らない人とすぐ会うことに躊躇する方のほうが多いと思ったので、登録審査制を導入し、少しでも安心して利用してもらおうと思いました。そのおかげか、男女比が6対4と、女性が比較的多いのも特徴です」
登録の審査は、男女5人ずつからなる10人のチームが担当。申込者のFacebookをじっくりチェックし、10人中7人が賛成すれば晴れて登録される。だが、この審査はかなり厳しく、内田氏によると、審査に通るのは全体の約23%。4人に1人しか登録できないという、狭き門なのだ。
審査が厳しい一方、選定理由が不透明なのも話題を集めた一因だ。今回の取材でも、大手の会社員が落ち、自由業のライターが審査を通過したという話も耳にしたほど。
「確認する項目はありますが、審査員たちがその方といっしょに飲みたいかどうかも、大きな判断材料になります。ですから、意外な方が通過することはありますよ」
では、審査に通りやすいのは?
「あくまで傾向ですが、素顔がはっきり写った写真を使っている方や、情報をいろいろ公開されている方は通りやすいですね」
◆マッチングアプリで出会えるのかを実践!
せっかくなので、『JOIN US』で新たな飲み仲間を見つけようと試みたが、審査を通過できないという残念な結果に。
そこで、肉好きの男女が集まっていっしょに焼き肉を食べる『肉会』と、外国人とお互いの言語を教えあえる英会話アプリ『Japanese Social Matching』の2つを同時に試した。アプリの案内に従い候補者にメッセージを送り、マッチングするのを待つ。取材期間は2週間もあるので、マッチングアプリ初心者とはいえ、何とかなると楽観的に考えていた。
紹介される20代の女のコたちの写真(今回体験した限りでは、『肉会』のほうが若くてカワイイ女のコが多い印象)に、期待に胸が膨らんだのは開始3日目ぐらいまで。更新される候補者に毎日メッセージを送るも、なしのつぶてで焦りだけが増していく。1週間が過ぎる頃には、避けていた特殊なメイクをした方や、40代の方にも送信したが、誰ともマッチングをしないという散々な結果に……。
そんな筆者を見かねて、編集者が反省会に呼んでくれたのは、通算2000回の合コンを行い、「『肉会』でもサイバーエージェントのIT女子とマッチングしたことがある」と豪語する、会社員の石上文之さん(41歳)だ。
「女のコとのマッチングを成功させるコツは、明るい写真を使うことと、メッセージでいかに情熱を伝えられるかどうか。女のコはレベルが高いほどライバルが多い。毎日のようにお誘いがあるでしょうから、印象に残らないメッセージでは成功しないと思いますよ」
自分に興味を持たせられるかどうかの重要性はリアルと同じ。時間惜しさにテンプレのメッセージを流用していた筆者には、はなから勝ち目はなかったということか。次回は気合を入れよう。
●JOIN US
現在、完全に無料で使えるマッチングアプリ。都内23区しか対応していないが、今後は順次エリアを拡大したり、追加サービスを実装予定。ユーザーの要望の多い、Android版の配信準備も進められている
●肉会
2人1組のペアで登録し、焼き肉を食べに行くペアの相手を探す。基本無料で利用できるが、メッセージを送る相手を増やすときにお金がかかる
●Japanese Social Matching
外国人とマッチングして外国語を教わる代わりに、日本語を教える英会話アプリ。基本無料だが、先生にオファーする際は課金アイテムが必要
【内田洋輔氏】
ネット系サービスを行うgram30の代表取締役。『JOIN US』の開発や運営などにも携わる。詳細は、http://joinus30.com
取材・文/黒田知道 (C)2015.gram 30 Inc. (C)DMM.com Co.,Ltd. (C)G.I Inc.
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