紀里谷和明「僕は本当にイケてないし、ダメダメな人間なんです」
『CASSHERN』『GOEMON』と話題作を監督するも、歯に衣着せぬ発言で日本映画界から嫌われ、映画が撮れなかったという紀里谷和明。そんな彼が活動の場をハリウッドに移し、5年の歳月をかけて作り上げた最新作『ラスト・ナイツ』がまもなく公開される。本作では紀里谷作品の魅力である“革新的なCG表現”のテイストは弱まり、意外にも“王道的”な作品に仕上がっている。いったい、この5年でどのような心境の変化があったのか? ハリウッド映画を引っ提げて凱旋帰国した紀里谷監督を直撃する――
15歳で単身渡米し、24歳でニューヨークを拠点にフォトグラファーとして活動を開始。帰国してからは多くのミュージック・ビデオを制作し映像クリエーターとしても注目を集め、36歳で映画監督デビュー。そんな華々しい経歴や長身&二枚目なルックスから、紀里谷監督にはどうしても“クールでとっつきにくい”というイメージがある。ところが、先日出演した『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日)では、ダジャレを連発しながら本音をさらけ出す意外な一面を披露。一体、等身大の彼はどんな人物なのか? そして、最新作『ラスト・ナイツ』の公開を控えた今、思うこととは?
――『しくじり先生』のオンエア後、どんな反響がありましたか?
紀里谷:ウチはテレビがないからバーで女のコたちと見てたんですけど、みんな「キリキリ面白いじゃん!」って言ってくれましたよ。友人たちは「面白かったけど、超普段どおりだよね」ってメールをくれました。
――“キリキリ”ですか(笑)。キャラをつくってるのかとも思いましたが、普段からああいう感じなんですね。
紀里谷:そうですよ。「意外だった」とか、僕を嫌いと言う人は、僕と会ったことのない人たちなんです。
――イメージで嫌われているということですよね。
紀里谷:そうですね。
――雑誌に載っているキメキメの写真でも敵をつくりそうですもんね。
紀里谷:写真はカメラマンの注文どおりにやってるだけですから(笑)。ただ、さすがに勝手なイメージを持たれ続けると、作品に影響しちゃうでしょ? だから最近、以前よりメディアに出るようにしてるんです。作品はいわば僕の子供ですけど、親が嫌われたからって子供まで嫌われちゃったら嫌じゃないですか。
――「あの気取ったヤツが撮った作品だ」みたいに。
紀里谷:そう。それじゃ作品がかわいそう。僕は別に気取ってないし、めっちゃオープンに人に接してると思うんですよ。なのにウチの子がいじめられたら嫌だから、ちゃんとPTAにも行きますという感じなんです。その一環で『しくじり先生』にも出させていただきましたし。
――映画そのものではなく、“紀里谷監督の映画”というフィルターをかけて見られがちなんですね。
紀里谷:はい。純粋に作品が嫌だと言われるのはしょうがないけど、親が嫌いだから子も嫌いと言われちゃうのはね。ともかく一回、色眼鏡を外してほしい。もうね、本来の僕は気取ってないどころか、ダメダメな人間なんですよ。本当にイケてねえなぁと思うし。
――例えばどんなときに?
紀里谷:知らず知らずに思ってたことを曲げちゃったとか、近道しようとしちゃったとか、そういう自分の中のズルさに気づいたときですね。あと、僕すごいぐうたらなんですよ。なんでこんなに怠け者なんだろうと思っちゃう。朝、決めた時間に起きないでズルズル寝てたりとかね。
――それは仕事の面でも?
紀里谷:そう。監督の仕事も、締め切りがなかったらきっとズルズルですもん(笑)。
このあともインタビューはまだまだ続きますが、その模様は10/20発売の週刊SPA!に掲載されているインタビュー連載『エッジな人々』をご覧ください。 <取材・文/持丸千乃 横山 薫(本誌) 撮影/増田岳二>
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