日本で一番、珍名部署が多いのはなんと官公庁だった!?

日本で一番、珍名部署が多いのはなんと官公庁だった!? もはや珍名部署を持つことがステータスに!  昨今、市民に親しみやすい名称という観点から、「佐賀のがばいばあちゃん課」に代表されるような、ユニークを超えた珍名な部署名を付ける自治体が増えている。まずはその元祖的存在から紹介。  ‘90年に福祉課を、「すこやか熟年課」に変えたの江戸川市役所。老人や高齢者という言葉は使わず、言葉の持つイメージを考えて名称を決めようという当時の市長のアイデアだったとのこと。 「もう18年前ですが、発足当時、こんな名称を付けた自治体はほかになかったんで、ずいぶん珍しいですね、面白いですね、と住民からさんざん言われましたね。中には、『役所がこんな名称を使うなんてけしからん』と怒りだす人もいました。しかし、今ではすっかり定着。業務内容は以前から変わらず高齢者福祉事業ですが、最近は課の中に生きがい係と孝行係もできました」(発足時の担当者)  同じく高齢者福祉課を、もっと珍名に変えた役所も。那覇市役所にある「ちゃーがんちゅー課」だ。どんな意味かというと……。 「いつまでもお元気で、という意味です。沖縄では誰もが知っている挨拶で、この部署名も定着しています。この名前は‘01年に親しみの持てる名称にしようと、職員から募って決めたんです。でも、本土から来た人にはまったく意味不明で、必ず意味を聞き返されますね」(課員)  沖縄に移住した人が方言を学ぶきっかけにもなっているようだ。  続いては市民相談室を「お困りです課」に変えた芦屋市役所のケース。 「気楽に何でも尋ねられるようにしようと、5年前にこの名称に変えました」(課員)  何でも聞いていいんですか? 「ええ。変わった例では、『自宅の庭に猿が迷い込んで目が合って困った。どうすればいいですか?』『庭に犬より小さく猫より大きな動物がいた。この動物は何?』などの質問もありました」(同)  ……もはやトンチクイズのような相談だ。名前が珍名だと、業務も珍妙になるのか!?  さて、鳥獣保護課は全国自治体に存在するが、特定動物に特化した「コウノトリ共生課」があるのは兵庫県の豊岡市役所だ。 「50年前に日本からいなくなったコウノトリが最後に生息していたのが当市なんです。町おこしの一環で、コウノトリの棲める環境を整備しています。寄付の働きかけや自然公園の造成などで忙しいですよ。コウノトリは幸せを運ぶ鳥と言われますが、私には残業と休日出勤を運んでくれますね(笑)」(課員)  町おこし関連では、富山県入善町役場にある「水産深層水係」も珍名。 「384メートル下の海水を汲み上げる施設をつくり、漁協と共同で海洋深層水を販売する課です。入善町の海洋深層水は微生物が少なく栄養素が豊富。課員は1人ですが、企業へ深層水利用セミナーを開催。全国をPRして回り、忙しいですよ」(同町水産課)  同じく、話題を振りまいているのが、前述の佐賀県武雄市役所の「がばいばあちゃん課」だ。 「テレビ番組の誘致が目的で発足。番組放映後は、がばいばあちゃんバスツアーが大あたり。最近は”がば”という歌を歌うおばちゃん歌手グループを作り、そのマネジメントもしています」(課員)  『北の国から』のようなロングシリーズを目標に、目下活動中とか。同課の宣伝力には舌を巻くが、「いいやま住んでみません課」という宣伝文句まんまの珍名部署を作ったのが長野県飯山市だ。 「移住者支援をする課ですが、市長のアイデアで、わかりやすい名称になったんです。移住体験ハウスを作ったりしていますが、おかげさまで市が窓口になって移住した人が3年で20家族と増えています」(課員)  今や官公庁の世界は、珍名部署を持つことが一つのステータスとして考えられる時代になったのかもしれない……。 取材・文/栗原 昇 藤村はるな マグナム金蔵 青木大輔(本誌) ― 我が社の[珍名部署]図鑑【5】 ―
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