ネット業界のオピニオンリーダー感を醸しだす
Facebookは格好の「知識アピール」をする場でもある。実はそこまで精通していないことでも、世間に重要なインパクトを与えそうなものなら
「ふむ」「ほお」「わぁ」など、感嘆詞一つで興味ある感を出す。
「Googleの新サービスやWEB広告の新たな潮流はすかさずシェアするライターがいます。そのトピックに興味を持っていること、それなりに知識があることをアピールするけど
『メモ』『あとで読む』などの一文でいつもごまかしてる。ライターなんだから自分の感想を書けよ!…まあ、書けないのだろうけど」(30歳・エンジニア・男性)
彼らが投稿を続けるのは、業界に精通していることを示したいという終わりなき自己承認欲求があるからだ。
「ネット上で巻き起こった論争をとにかくメタに見たがる傾向がありますよね。騒動のTogetterまとめをシェアして『この問題、まだ続いてたんだ…』と、すでに論争を知ってるアピールをしたり」(33歳・フリーライター・男性)
Facebookメンヘラはイベントにも頻繁に出没するのが特徴だ。
「会場(コワーキングスペースが多い)に観客の誰よりも早く前乗りして
『ここに来ました』とタグ付け。その後は『今回はいつも以上にすぐ埋まりそう』『質問がバンバンと飛んでいます』と、なぜか主催者目線から実況をスタートさせるんです」(34歳・IT・男性)
他にも、
「ホリエモンなどフォローしているネット有名人のFacebook投稿には友人感覚でコメントを残し、周囲への業界人アピール活動も忘れない。最近はNewsPicksにも進出して論客を気取ってる」(35歳・出版社・男性)
これまでを踏まえると充実しているように思えるFacebookメンヘラだが、感情は毎日不安定のため、仕事などで誰かとトラブルになった時は、自己消化せずFacebookへ投稿する。
「仕事で何かあった時に直接的には表現せず
『裏切られると辛いものですね』と、どこかのケータイ小説家のような出だしから始め、心配コメントが書かれるのを待っているおっさんがいます。誰かがコメントすると音速の早さで返信。どんだけFacebook見てんだよ…」(30歳・WEBディレクター・男性)
「メンヘラはひたすら闇の方へと入っていくのに対し、Facebookメンヘラは
『まあ、自分が出来た人間ではないというのはわかっているんですが』と最後に付け足して、全てを他責せず、何%かを自己責任にして前向きであることのイメージを植え付けるんです」(同上)
やはりそれはリアルな知り合いが多いFacebookならではの特性もあるだろう。むろん、これらの振る舞いはコメント欲しさゆえの行動だ。
ストレスの発散方法は人によって違うので、彼らの振る舞いを何も否定することなどできない。今後、もし自分のフィードにメンヘラ要素がにじみ出ている投稿が上がってきても、どうか生暖かい目で見守ってほしい。 <取材・文/日刊SPA!取材班>