「睡眠不足」でうつ病に!? 土日の“寝だめ”は逆効果
うつ病患者の多くに、不眠の症状が表れることは広く知られているだろう。
一方で近年は、睡眠不足が原因となり、うつ病を発症する……というケースも多く報告されているという。
「睡眠不足や睡眠サイクルの乱れは、うつ病の誘因になることがあります。例えば、交代勤務の仕事に就いていて、睡眠時間が十分に確保できていない人は、うつ病になりやすいというデータもあるんです」
そう話すのは、日本睡眠学会理事で、久留米大学教授の内村直尚氏。また、体の疾患が原因で不眠となり、それがうつ病に発展するケースもあるそうだ。
「例えば高血圧や糖尿病の人は、30~40%が不眠を認めるというデータがあります。また、痛みを伴う疾患を持つ人も40~50%に不眠がみられ、夜間頻尿なども不眠の要因となりますね。体の病気はストレスになりますし、ストレスを感じると交感神経が優位になり、寝つきが悪くなる。そして、入眠困難の症状は、放置するとうつ病の誘因になるのです」
なお今年の熊本地震では、避難所生活で眠れなくなった人が高血圧になった……というケースも報告されているという。睡眠と心の健康、体の健康はそれだけ密接に繋がっているというわけだ。
「一方で、身体疾患に不眠が合併している場合、不眠を改善することが、身体疾患の改善にも繋がることもわかっています。睡眠時間をしっかり確保することは、心身の病気の予防にもなるわけです」
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