殺虫剤が効かない「スーパーゴキブリ」。その誕生の秘密とは?
ゴキブリ退治の切り札と言えばスプレー式の殺虫剤だが、近年、その殺虫剤が効かない「スーパーゴキブリ」が増殖中だという。
現在の主な殺虫剤には、蚊取り線香の主原料である除虫菊の成分に似た「ピレスロイド」という化学物質が含まれており、これがゴキブリに圧倒的な効果を発揮してきた。しかし、まれにこのピレスロイドへの抵抗性が非常に強い個体が存在する。飲食店を中心にするチャバネゴキブリの一部がそれだ。
⇒【写真】はコチラ ※閲覧注意「チャバネゴキブリ」https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1149559
害虫駆除の現場を知るダスキンの担当者は「現場の実感としては、10%程度は抵抗性のある個体がいるのではないか、という印象です」と証言してくれた。では、なぜそのような個体が登場したのか? 殺虫剤大手のアース製薬・研究開発本部の林秀樹氏はこう解説する。
「チャバネゴキブリは、家庭でよく見る大型のクロゴキブリに比べ、ライフサイクルが短く、繁殖力が強いことが特徴です。クロゴキブリは卵から生まれた幼虫が約8~12か月かけて成虫になるのに対し、チャバネゴキブリは約2~3か月。つまり、世代交代が激しいので、薬剤に対する抵抗性を継承していくスピードも速いのです」
しかも、チャバネゴキブリが生息する飲食店はゴキブリをもっとも嫌う環境であり、常日頃から殺虫剤を使用していることが多い。その過酷な環境を生き延びた個体が次世代を産み、さらにその次世代が……という繰り返しの中で、徐々に抵抗性が高まっていったと考えられるのだ。
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<取材・文/週刊SPA!編集部>
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