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非正規公務員が「民間委託」で雇い止めに…年400時間から年40時間に仕事が激減

 もうひとつの理由が、「民間委託」だ。全国で今、図書館、学校給食、公立保育園、庁舎の清掃や警備、ごみ収集等々の公務は次々と民間委託されている。公共施設の管理・運営だけでも、総務省の「公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果」によると、’15年4月1日時点で約2万9000施設を民間が担っている。  中嶋さんが在籍したセンターのCAD製図科も’14年度末に民間委託されたことで廃科となった。都は、中嶋さんらを従来行ってきた民間委託先で働かせず、雇い止めにした。都は「類似科目で公募する。経験を考慮します」と中嶋さんに伝え、中嶋さんはそれに応募。違うセンターでの採用となるのだが、労働時間がそれまでの年400時間から40時間へと激減したのだ。  わずかな年金を合わせても生活していけないことで、中嶋さんら3人は昨年5月29日、原状復帰を求めて東京地裁に提訴。今の職場では、授業に必要な道具が用意されなかったり、担任(正職員)が生徒の前で「中嶋さんの授業は役に立っていない」と公言するなどのパワハラも受けた。非正規職員も自身や家族の生活を支えている事実を都は知らないようだ。 ― ブラック化する[非正規公務員] ―
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