極道出身の作家が“天性の番長”を描く!「生野が生んだスーパースター文政」の壮絶半生
山口組の直系組織で最高幹部を務めた沖田臥竜氏が引退したのは、今から2年前のことだった。以来、物書きとして活動を始めた沖田氏はアウトロー系メディア『R-zone』での連載、『山口組分裂「六神抗争」365日の全内幕』(宝島社)への寄稿など、着実に活躍の場を広げている。そして10月初旬、初となる単行本が刊行された。『生野が生んだスーパースター 文政~現在、男道にて修行中~』だ。主人公の文政は、ヤクザ顔負けの破天荒な人生を送る実在の人物。どんな相手にも自分勝手を貫き通す文政と、そんな“大将”に翻弄されながらも慕い、支えるファミリーが織りなす物語を活写している。本に込めた思いを、沖田氏に聞いた。
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――作品の中で「文政」のやりたい放題ぶりは痛快で、圧倒されました。働かず、喧嘩と博打とオンナに明け暮れ、ヤクザ相手でもいかんなく暴力を発揮する……こんな生き方がまかりとおるのかと。文政は、暴力団に所属しているわけではないんですよね?
沖田:「兄貴」と呼ぶ人間はいて、その方はある有名組織の若頭ではありますが、兄弟(文政)とは幼い頃からの付き合いなだけ。暴力団の親分から盃をもらって、子分になって……ということはなく、いわば愚連隊ですね。何度かそういう話はあったと思いますよ。でも兄弟はカタにハマることを嫌いますから、その都度断ってきた。第一、組織の名前を出さずとも「文政じゃ!」で通ってしまう。関西のヤクザの間では非常に有名な男で、私もヤクザだった頃、彼と出会う前からいろんな話をよう聞かされてました。
――そもそも、沖田さんと文政の出会いはどのような形だったのですか?
沖田:9年前になりますかね。刑務所に入っていた時、私が配役されていた工場に兄弟が後から配役されてきたんです。彼が大阪刑務所の新入考査にやってきた時から、受刑者の間で、「文政が大刑にやってきたぞ!」と噂になっていたんですよ。ただまさか、私が務める工場に配役されてくるとは思ってもみませんでした。配役してきて、すぐに打ち解けました。共通の知人も沢山いましたしね。
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『生野が生んだスーパースター 文政』 インターネットで話題の小説がついに単行本化。これがリアル大阪裏社会だ! |
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