疲れやすい…の原因は“ストレスによる脳疲労”。解消するには?
多くの40代は、「年齢的な体力の衰えによるもの」と勘違いしがちだが、残念ながら原因はそこではない。『すべての疲労は脳が原因』の著者で東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身氏は、疲労のメカニズムをこう語る。
「疲労感というのは脳が疲労しているサインです。強いストレスを感じると、交感神経が優位になり、脳にある自律神経の中枢が疲労します。これにより人は、『疲れた』という自覚します。研究では持久走などでカラダに負荷を与えても、疲れるのは、脈拍や呼吸、体温をミリ秒単位で調節する自律神経であり、筋肉や内蔵にはほとんど影響がないことがわかっています。つまり、ストレスも運動も、すべての疲労は脳が原因なのです」
いくらマッサージや寝だめといった肉体的なアプローチをしたところで、脳にストレスを抱えたままでは一向に解消されないということだ。
「40代は自律神経機能も低下してくる年齢です。年をとって疲れやすくなってきたと感じるのはこのためです。また、もっとも脳疲労を回復させるには睡眠が手っ取り早いのですが、自律神経機能が落ちると、睡眠もままならず、ますます疲労を蓄積させます」(梶本氏)
端的に言えば、疲労回復には脳疲労を和らげる工夫が必要だということだ。『疲れない脳をつくる生活習慣』の著者である医学博士の石川善樹氏もこう語る。
「疲労そのものは、脳が作り出した幻想であると思えばいいです。その証拠に、ちょっといいことがあると、疲れが飛んだりすることってありますよね。つまり脳にとって、負担を与えない心地いい日常を過ごすことが疲労回復には重要なのです。いきなりすべてを改善させるのは、大変ですから、日中の行動など時間を要するところから始めてみてはいかがでしょう」
脳に負担をかけるストレスが諸悪の根源だったのだ。〈取材・文/週刊SPA!取材班〉
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