更新日:2022年08月08日 03:23
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「八ッ場ダム」が完成すると水力発電量は激減する!? 東電に補償金を払うことにも…

さらに65億円で新たなダム建設、しかし発電量は10分の1

 国土交通省関東地方整備局河川部の古市秀徳・広域水管理官に聞くと、「今回の増額分の中には、減電補償にかかわるものはありません。もともとの4600億円のうち、『用地費及び補償費1221億円』に含まれています」と言う。しかし、「もともと」の額は2110億円だったのだ。 「八ッ場ダムの事業費は今後もさらに増額するでしょう」と断言するのは、水源開発問題全国連絡会の共同代表、嶋津暉之氏。 「昨年までは2018年度内に本体工事を終えるとしていましたが、新しい工程表では、それが2019年度まで食い込み、その分、ダムに水を貯めて安全性を確かめる湛水試験の予定期間が半年に縮小されました。しかし、湛水試験で地すべりが発生すれば、工期延長は必至です」  群馬県は八ッ場ダム下流に、総事業費65億円をかけて県営発電所を作る計画だが、その発電量は、最大出力1万1700kWしかない。東電6ダムの最大出力の10分の1でしかない。しかし、どのくらい発電量が減るのか、さらには東電への補償金額など、八ッ場ダムの事業者である国土交通省はその詳細を明らかにしていない。 ⇒【写真】はコチラ(本体工事が始まった八ッ場ダム)
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1228796

本体工事が始まった八ッ場ダム(写真/八ッ場あしたの会)

 群馬県の納税者から見れば、八ッ場ダム建設費を国民および県民として負担したうえ、発電量が減る東電にも補償金を出し、さらに新たな県営発電所の建設費まで負担することになってしまうのだ。  『週刊SPA!』11月1日発売号「電力が危ない! 最新リポート10」では、このほか「日本の自然エネルギーはなぜ伸びないのか」「1兆円を使った『もんじゅ』に、さらに5400億円投入!?」など、日本の電力に関する10の問題をリポートした! 取材・文/まさのあつこ
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