「出世レース」に負け大手企業を退社したら…転職しても年収激減、バイト三昧の日々
40代ともなれば給料も上がり、若い頃よりも楽できると思っていたのに。そう嘆く声は多い。昨今、低所得にあえぐ40代が急増中だ。その理由は出世できない、転職回数が多いなどさまざま。中年でも稼げない時代が来ている――
…飯野政史さん(49歳・既婚)/物流関連会社/年収300万円
「今は缶コーヒー1本すら贅沢品」と嘆く飯野政史さん(仮名・49歳・既婚)は大手物流会社で12年(年収600万円)、食品業界で9年勤務(年収500万円)と、これまではそれなりの所得を得てきた。しかし、最初の会社は同期との出世レースに敗れ、居心地の悪さから自主退社。次に勤めた会社ではリストラに遭い、3年前に物流関連企業に転職した。ここは正社員ですらなく、嘱託社員という扱いで年収は300万円にまでダウン。
「ここはかなりのブラック企業です。求人サイトでは『勤怠管理責任者・月27万円、賞与あり』だったのですが、内定後、条件は同じだからと倉庫の出荷業務に回され、いざ給与明細を見たら手取りで15万円……。さすがに抗議したところ、『1年後に元のベースに戻すから』と説得させられました」
しかし、いざ1年耐えてみると、幹部には「そんな話聞いていない」と言われ、そのままずるずると3年も働き続けてしまった。
「次の仕事は探していますが、この年齢ではなしのつぶて。結婚前に買った分譲マンションの支払いが月5万円、食費が4万円、職場に通うのに必要な車の駐車場代が2万円、光熱費や通信費を払うと、ほぼ終わり。子供たちの習い事もすべてやめてもらいました。親として辛いです」
子育てする妻のパート代は月4万がせいぜい。夫婦の収入を合わせても20万円に満たない。少しでも所得を増やそうと1年前から荷物仕分けのアルバイトも始めた。
「多くてもバイト代は月3万~4万円。普段は夜帯の3時間程度ですが、繁忙期は朝5時まで働く日もあり、そういう日はほぼ寝ずに仕事に行きます。極限まで切り詰めても生活が厳しいので、恥を忍んで年老いた親に仕送りをお願いする月も多いです」
体だけが心配である。
― 低所得時代の実態 ―
新卒で大手に入社も、出世レースに負け退社から低所得への転落が始まる
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