“山P”こと山下智久の芝居論「若手の頃と同じメンテナンスじゃダメ」
日本初にして唯一のドクターヘリをテーマに取り上げたドラマ『コード・ブルー』。フライトドクターを目指す若者たちの姿を描いた本シリーズは’08年に放送されると、たちまち大きな反響を呼び、続編も大ヒットを記録した。7年ぶりの新シリーズに挑む山下智久は今、何を思うのか? 鮮やかに描かれる「山P」の軌跡と内に秘める情熱に迫る!
――『コード・ブルー』ファーストシーズンは9年も前になります。振り返っていかがですか?
山下:撮影前にすべて見返してみると、もちろんドラマは面白いですけど、自分としては少し恥ずかしかったですね。23歳だった当時はまだわかっていない部分が多くて。
――当時は「(山下が演じる)藍沢耕作と自分は似ていない」とおっしゃっていましたが。
山下:藍沢は、自分の腕を磨くことに貪欲な野心家という設定。今も根本的には似てないと思うんですけど、長年演じるうちに自分のスキルを極めていくところや、新しいものが好きというところは似ていると気づきました。現状で満足せずに、10年後、20年後を見据えて生きているというところにも、とても共感しますね。
――山下さんはしなやかなイメージの一方で、役づくりはかなりストイックにされている印象があります。今回の医師の役もそうですし、以前はボクサーを演じるために減量したり。どのように課題を設定し、準備していくのですか?
山下:ボクシングのときは、まず肉体をつくらないと、見る人が作品に入り込めない。だから、ただただボクサーに見えるように、どうやったら体がつくれるのかを考えた結果です。ボクサーのほうが実はシンプルで、医師は本当に難しいです。役づくりに答えがないので。
――演技を長く続けられる中で、演技へのアプローチというのも、変わってきたりはしましたか?
山下:そうですね。常に変わり続けている気がします。目の前のセリフやキャラクターをどう捉えるか。たとえば、「おいしい」というセリフがあったとしても、どういうおいしいなのか。本当に心からのおいしいなのか、気を使っておいしいと言っているのか、いろんなものがある。なぜだろう、とあらゆる角度から考え抜いての一言のほうが沁みる。それが浅いと伝わりにくくなってしまうんですよね。ドラマって本当にマラソンだから、以前は途中で疲れて浅くなってしまったりしたこともあったので、そこはちゃんとしっかりキープできるように。体のメンテナンスも関わってくることですね。
――撮影中も合間の時間を見つけては、ストレッチしていらっしゃるのが印象的でした。
山下:年を取っていくから、向き合わなきゃいけないんです(笑)。若手の頃と同じメンテナンスじゃダメだなって。いい意味で、いつも軽やかでいたいので。
――山下さんと藍沢に共通する、向上心。それが向かう先にあるのは、何だと思いますか?
山下:自分の使命をしっかりと見いだして、全うしていくということだと思ってます。自由になりたいというのもあるかな。自由というか、「自由自在」というイメージ。自分を自在にコントロールして、なりたい人間になりたいです。
――それはどんな人間ですか?
山下:技術的にも精神的にも、人を導いてあげることができる人かなと。
※このインタビューは7/11発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです。
【山下智久】
’85年、千葉県生まれ。’96年にジャニーズ事務所に入所。同期には「嵐」の松本潤、生田斗真らがいる。’11年よりソロ活動としてドラマや映画などで活躍。7月17日スタートのドラマ『コード・ブルー』(全国フジテレビ系)では、7年ぶりに主人公の藍沢耕作を演じる
取材・文/高野麻衣
『週刊SPA!7/18・25合併号(7/11発売)』 表紙の人/ 山下智久 電子雑誌版も発売中! 詳細・購入はこちらから ※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める! |
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