更新日:2017年08月14日 13:34
恋愛・結婚

「ヒモはビジネスだ」女性に総額1億円超を貢がせたヒモ男の極意

ビジネスに感情は不要

 しかしながら、ヒモ氏は「ビジネスに感情は不要」だという。その理由をしみじみと語り始めた。 「ヒモになったばかりのとき、ちょうど日本で初めてエイズ患者が報告されました。当時は情報もなく、セックスすると感染して必ず死に至るというイメージを多くの人が持っていました。現在ではそんなことはありません。しかし、風俗という職業は一番リスクが高い職業ですよね。僕は彼女に惚れていたのでしょう。だから僕は彼女のことを心配して店を辞めさせてしまいました」  相手のことを考えた美談に思えるが、ヒモ氏は「人生最大の失敗」だと嘆く。 「彼女が風俗から足を洗ったせいで、収入源が断たれてしまいました。ヒモをビジネスという観点から見た場合、その行為は廃業したも同然。だからそのとき、ヒモをビジネスと割り切り、感情移入しなければ、もっと病気のことを調べて、(安全ならば)続けさせるのが正解でしょう。案の定、その後は厳しい生活が待っていました。だから、それは僕の若気の至りであり、人生の教訓にもなっています」  ヒモ氏の言葉から「ヒモはビジネス」の真意が伝わってきた。やはり、通常の恋愛とビジネスは異なる。相手に心底惚れたり、感情移入しないことが重要なのだ。そして、ヒモ氏はこのように念押しする。 「感情のコントロールができないと、相手のペースに持っていかれてしまいます。だから、惚れた弱みを見せずに、いかに自分のペースに引きずり込むか。イニシアティブ(主導権)を握ることが必要です」 ヒモはビジネス

口説き術はテレクラで場数を踏んだ

「それと、世の中のほとんどの男は、背伸びをして良いところを見せようとする傾向があります。でも、じつは逆なんです。僕は口説くとき、『僕は何も持っていないよ、結婚できないし、遊び人だよ』と決して見栄を張らず正直に話します。そのうえで、とことん相手が自分に惚れていたら、それでも四六時中一緒にいたいと思うはずです」  果たして、どういうことなのか……。 「たとえば、『僕はお前と一緒にいたいけど、仕事をしなくちゃいけない。だからバイトでもしようかな』と言えば、その一緒にいたいという気持ちが作用して、『いいよ、働かなくて。私が面倒を見てあげるから』というようになるんです。僕は自分から貢いでくれとは一度も言ったことがありません。相手に『貢いであげる』と言わせるように導くのです」  ヒモ氏は、このような口説き術を「テレクラなどで場数を踏んで会得した」らしい。もともとテレクラが好きだったというが……。 「プロというモノは趣味のその先にあります。ヒモにしてもパチプロにしても、本気で食っていきたいという背水の陣の気持ちで、その道を極めようとしなければ、絶対にプロにはなれません。本来は女とヤルだけでも難しいのに、ましてや貢がせるわけですから。たんなるシャレじゃありません。だれでも簡単にヒモになれるぐらいだったら、みんななるでしょうね」  そもそもヒモ氏自身、女性を口説くことが趣味であり、計らずとも膨大な時間が費やされているのだ。彼は、その延長でプロのヒモになった。  努力せずに収入を得る……。そんな我々の考え自体、どうやら安直すぎたようだ。 ブログ【ヒモショウヘイの軌跡】http://best-consumer.com/himoshouhei/ <取材・文・撮影(人物)/水野高輝>
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