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親の介護で年収200万円ダウン…同居を考えるも妻から猛反対、離婚話にまで

夫婦どちらかにトラブルがあっても、それを支えるパートナーの存在が既婚世帯の強みとされてきた。が、修復不可能な事態に陥る事例も珍しくないようで……。

親の介護で忙殺され家庭内不和に発展

介護 親の介護問題も貧困化に直結する。大手百貨店に勤める小林雄二さん(仮名・40歳)のケースだ。 「5年前、母親が老人性うつ病になりました。当時は父が面倒を見ていましたが、その父も3年前に他界。一人っ子の自分が介護をすることになったんです」  毎朝5時に起きて、会社とは反対方向にある千葉の実家に寄ってから出勤。介護ヘルパーが来ない日は、帰宅前に母の様子を見にいく日々。副支店長としての激務に忙殺され、店を出れるのは夜10時すぎ。「フルタイムで働いていたら体がもたない」と感じた小林さんは、会社に事情を説明した。 「定時で帰れる部署に異動となりました。ただ、時間外と休日出勤の手当がなくなったので、年収は200万円以上ダウンして600万円になりましたね」  仕事中は介護ヘルパーを呼んでいるが、父親が遺産として残した実家は、相続税、固定資産税ともに高額で、母親に入ってくる生命保険料、年金は右から左へと消えていく。月8万円のヘルパー代の大半は、小林さんが貯金を切り崩して支払っている。 「この状況になる前は、長男の私立中学への受験も考えていましたが、断念しました。せめて母と同居できれば、実家も処分できるし、介護の負担も軽くなるのですが、『結局、私がお義母さんの面倒を見ることになるんじゃないの!』と妻から猛反対されまして……。そんなことが積み重なり、妻との関係は悪くなる一方で、ついに離婚話も出てきています」 ※写真はイメージです ― 家族の貧困が止まらない ―
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