キャンプの鬼が本当の鬼に!? 節分の日、話題作りの裏側――2018プロ野球キャンプレポート
昨日2月3日は「節分」。キャンプが始まって最初に訪れる「お約束デー」だ。各球団の若手選手や外国人選手が、記者やカメラマンが扮した「鬼」に向かって豆を投げるという、報道向けのイベントがほとんどの球団で行われる。
この日、そんなイベントに出くわしたのは、沖縄・宜野湾で行われている横浜DeNAベイスターズの1軍キャンプだった。朝9時半、練習が始まる前に現れたのは石田、今永、浜口、そしてドラフト1位の新人の東。ベイスターズが誇る期待の左腕投手たち。初の土曜日と大勢詰めかけたファンの前で、豆を投げた。
「鬼は外……」といささかハニカミながら、カメラの放列の前にぎこちなく豆を投げる4人に笑いも起きる和気あいあいとしたシーン。「報道陣の皆さん、投げた豆は残さず美味しくいただいてくださいよ!」などと選手が報道陣をイジりつつ、ある種“正統派”の「節分の儀式」が終わった。
しかし、そんなベタな「豆まき」を払拭した球団があった。沖縄・浦添で行われている東京ヤクルトスワローズのキャンプだ。前年球団ワーストの96敗を喫し、ダントツの最下位に沈んだチームは、新しい首脳陣の大号令のもと、連日の猛練習を行っている。そんなチームがスポーツ紙を飾るのは「地獄」の絵図や見出しばかり。主力選手も若手もユニフォームを泥まみれにして練習する姿には「大きな変化」を感じる。
そんな地獄のキャンプに「ユルい話題」は要らぬとばかり、恒例の「節分の儀式」が行われる予定は当初なかった。しかし、全体練習が終わった午後4時半、突如報道陣が集められ、そこに疲労の色を濃くした選手が現れた。
上田、藤井、奥村、山﨑の4選手は報道陣から大量のピーナッツ豆を渡されると、誰もが浮かぬ表情。座り込んでボヤきを連発していた。
するとざわつく報道陣。カメラの放列がレンズを向けた先には「本物の鬼」がいた。球団OBで、球団改革を任された宮本慎也ヘッドコーチ、広島カープから移籍してきた石井琢朗打撃コーチと河田外野守備コーチが、鬼の面をつけ、棍棒を担いで現れたのだ。
「投げてみい、コラ~!」と豆の入ったボウルを持って直立不動の4選手を威嚇する宮本コーチ。当たるか当たらないか、下手から恐る恐る豆を”トス”する面々。破れかぶれなのか「鬼は外!」と絶叫するひと幕も。
すっかり萎縮して、豆を撒く手が止まる選手たちに「まだ、豆はあるで!」とノックさながらの追い込みをかけるコーチ陣。すると突然、そこに今年から再び指揮を執る、小川淳司監督が乱入。「誰が一番(鬼に豆を)投げつけたかをリプレー検証だ!」と今シーズンからのルールをネタに審議を求めると、藤井選手が最も“悪質”だと判断された。
鬼が持っていた棍棒やピコピコハンマーで返り討ちにあった藤井選手は「うそ~!」と絶叫、しまいには河田コーチから特守が命じられ、居残り練習となった。
違う意味で「地獄」を体現したヤクルトの「節分」。果たしてニュースやスポーツ紙を大きく飾ることができただろうか? 球団や番記者たちの“創意工夫”の答えは今日の朝刊にある。<取材・文・撮影/SPA! 2018キャンプ取材班>
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