更新日:2022年12月14日 01:12
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運転士が足りない…路線バスが抱える、赤字以上に深刻な問題

利用者の当事者意識がバス再生には欠かせない

 路線バス維持のため、いち早く手を打った地域もある。自治体自ら“鉄道の廃止”を受け入れた北海道のある市では、廃線を控えて幹線輸送バスとそれに接続する交通機関の整備を進めている。 「現状に見合った輸送体制にしなければダメ。スクールバスや病院の送迎バスとの共通運用など、効率化を進めています」(同市の職員)  また、岡山県の宇野自動車では、回送を極力減らすことで民間企業で日本最安運賃を実現。1㎞あたりの平均運賃は全国で約40円前後だが、同社はなんと23円20銭だ。 「回送はフルコスト走行ですから最大の無駄。弊社では回送距離を他社の約10分の1ほどに抑えています。安い運賃で輸送サービスを提供することで、沿線に施設や住宅が増えて利用者も増えるという好循環を生み出せれば」(同社)  答えのない難しい課題だが、全国で苦境脱却に向けた模索が続く。鈴木氏は、「一番大切なのは沿線に暮らす人たちが当事者意識を持つこと」だと訴える。 「“バスはバス会社が走らせるモノ”ではなく、自分たちのバスだという意識で年に一度でも乗ってもらう。地方の公共交通を救うには、それが一番重要なこと」  果たして日本の路線バスは再生に向かって走りだすことができるのだろうか?
[路線バス]が消滅する

※写真はイメージです

― [路線バス]が消滅する! ―
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