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変形学生服“卒ラン”最新トレンド――刺繍は「夜露死苦」から「Best Friend」へ

・感謝の言葉  また、“仲間との絆”を刺繍で表現することが王道だが、学校生活をともに過ごした仲間たちや育ててくれた両親、叱ってくれた恩師に対して“感謝の言葉”を示すものが男女問わずにトレンドだという。世間一般ではヤンキー=親不孝のイメージがあるかもしれないが、プロス通販によると「親公認の場合も増えている」そうだ。 「中高生にとって、卒ランを購入するお金は決して安くありません。お年玉などを貯金していたひともいますが、卒業後にバイトして返す約束をして、ご両親に工面してもらっていることもあるようです」 卒ラン ・絵柄  特に今年は、デザインに大胆なインパクトをもたらす絵柄の注文が多かったという。男らしく力強い雰囲気の龍や虎、ときには妖艶な花魁なども。当然ながら予算はかさむ。高いものでは13~15万円のオーダーまであったそうだ。  人生に一度の晴れ舞台に、オンリーワンの「最高の一張羅」をまとう。とはいえ、最近では注文者の雰囲気も変わりつつあるという。 「ホームページにのせているサンプルをそのまま注文するひとや刺繍だけ入れて安く済ませるひとも増えました。一方で、昔は気合いの入った文字がしっかりと刺繍されていれば良かったのですが、最近ではデザインに対する要望が細かくなりつつもある。こだわりが強くなっており、より豪華なものを好む傾向にあります」 卒ラン

時代に合わせて用途の多様化が進みつつある

 今回は卒ランのトレンドを紹介したが、近年では純粋に“卒業式のため”だけではなく、その用途も幅広い層において多様化が進んでいるらしい。 「いまはSNSなどに卒ランをのせて自慢し合ったり、歌手のライブに“参戦服”として着て行くなど、時代や若者たちの気分に合わせて広がりを見せています。もはや暴走族やヤンキーだけのものではなく、ファッションやカルチャーという側面も強まっていますね」  時代と共に進化を続けている卒ランや特攻服の世界。結婚式の余興やイベントなど、SNSとの繋がりも強まりつつある。社長自らがデザインを手掛けるカラバリ豊富なオリジナルブランドをはじめ、事実、売り上げは伸びているという。今後の卒ランがどのような動向を見せるのか。注目していきたいと思う。<取材・文/藤井厚年、協力/プロス通販(http://www.pros-online.jp/)>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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