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「ネットで話題!」は世間の話題ではない――かっぴー&斎藤さんが考える“バズること”の意味



「ネットで話題!」は世間の話題ではない


斎藤:『バズマン』を読んで改めて思いましたが、IT系はシステマチックなイメージを持たれがちだけど、三木谷社長もそうですし、実際はむしろ人間味溢れる人たちが多いですよね?

かっぴー:個性のるつぼですよね。だからネタが尽きないんですよ。独特のカルチャーがありますしね。

斎藤:チャットでやりとりしていたシーンは、自分も「あったなー、コレ!」と思わず膝をたたきました。逆に僕が楽天にいたときは、まだSNS活用はあまりなかったので、ツイッターで拡散するシーンは目新しかったです。今はフォロワー数が多いほうが給料も上がったりするんですか?

かっぴー:いや、全然です(笑)。会社員時代も『バズマン』的な漫画を描いてバズったんです。そこからサントリーの広告漫画に繋がったんですが……。結局、給料は上がらず(笑)。漫画が描けるという特殊技能は重宝されるけど、バズってもそれほど意味ないし、お金には繋がりにくいんですよ。

斎藤:わかるなー。芸人がSNSで話題になり、「いいね!」や「RT」でバズっても、単独ライブのチケットが全然売れてないことは多々あります。あんまりSNSを信用しちゃいけない。

かっぴー:そう、「ネットで話題!」は、世間の話題ではない(笑)。

斎藤:ネットの炎上もそうだと思います。僕、コメンテーターとして出演していた報道番組で、話の流れで発言した一言が、タイミングの問題もあって、意図としてないかたちで伝わってしまって、インスタグラムに批判コメントが殺到したんです。翌日、5000人のお客さんが集まる営業も怖くて、怖くて……。でも、いざステージに立ったら、誰も言わないし、そもそも知らないんですよね。

かっぴー:そんな現状なのにネット広告は“バズり重視”。バズりも炎上も一時的なブームで、流れて消えてしまうことが大半。『バズマン』では、そんな滑稽さを描ければな、と思っています。会社員経験があるからこそ、その異常さを俯瞰で見れるのかなって。

斎藤:芸人界も異常さはあって、僕もサラリーマン経験があるから俯瞰で見られるのかもしれませんね。

かっぴー:あと、自分は美大卒でも絵が下手だし、デザイナー時代も全然うまくなかった分、逆にしっかり客観視できるかもしれません。

斎藤:推薦文に「ステキな画力」と書いてすいません(笑)。でも、SNSでバズって売れたら嬉しいですよね?

かっぴー:そりゃ、もちろん(笑)。

【かっぴー】
’85年、神奈川県生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、広告会社、面白法人カヤックを経て、漫画家として独立。著書に『左ききのエレン』や『SNSポリスのSNS入門』など

【斎藤 司(トレンディエンジェル)】
’79年、東京都生まれ。日本大学商学部を卒業後、アルバイト社員として楽天に入社。芸人になる夢を諦めきれず、’05年にコンビ結成。ハゲ漫才を武器に’15年にM-1王者に

<取材・文/カトウカジカ>

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