「昇進したら吐き気が…」うつ状態になる“4月病”が増えている
転勤、転職、昇進、異動、妻の仕事復帰、子供の進学……。春先は仕事環境や生活環境が大きく変化する時期。こうした公私の環境変化に対応すべく努力をするもののストレスをため込んでしまい、その反動で連休明けころから無気力状態に陥ってしまうのが5月病だ。うつ病予備軍ともいわれる5月病だが、最近その症状は多様化&前倒しになっていると産業医の大室正志氏は分析する。
「ギリギリ終身雇用制度に守られて逃げ切れる上の世代と違って、アラフォー以下の世代にとっては、意に染まない異動や、転職してみたけれど思った職場と違っていたといった状況に直面したときに、我慢して現在の職場にすがりつくメリットが減ってきているのだと思います。実際に会社を辞めるかどうかは別として『ここで我慢したところで会社が今後の人生を保証してくれるわけではないんだから』と割り切っている人がほとんど。だから、合わないと思った時点でパソコンを強制シャットダウンするがごとく無気力になったり、体が仕事を拒否してうつ状態になってしまう。5月病と違ってタメがない、4月病とでも言うべき人が増えているんですよ」
また、「うつに対する理解に世代間格差のあることが、さらにストレスに拍車をかける」と指摘するのは人事・戦略コンサルタントの松本利明氏。
「休みのときは元気だけど、仕事をしようとするとうつ状態になってしまう『新型うつ』が数年前から注目され、うつも人によって症状はさまざまだという理解が広まりつつありますが、アラフィフ以降の世代は『仕事環境の変化がきっかけで落ち込んでいるなんて単なる甘え』『休みの日は元気なら、仮病』という理解の人がほとんど。ただのわがままな怠け者というレッテルを貼られてしまうこともしばしばです」
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