耳かき評論家『いつか、これで個展ができたら……。それが今の夢です』
―[[ニッチ系評論家]の奥深~い日常]―
廃墟、カップラーメンなど、ある程度の市民権を持っているマニアの評論家が存在する今、さらにディープな研究をする人たちがいるという情報を聞きつけた。いったい彼らは、どのような日々を送っているのかを追いかけてみた。もしかしたら、この中に来年にはメディアに引っ張りだこになっている評論家がいるかもしれない?
【グッズ編】
★耳かき
いつか、これで個展ができたら……。それが今の夢です
<幽氏>
と照れくさそうに話すのは、延べ3000本以上の耳かきを集めてきた幽氏。6畳ワンルームの部屋には、耳かきが詰まった段ボールや収納ケースが所狭しと並ぶ。
「中学のとき、愛用していた耳かきを失くしちゃって、旅行する友達に耳かきをお土産に頼んだんです。そしたら『あいつ、耳かきを欲しがってるらしい』という噂が広まり、みんな面白がって耳かきを買ってくれるようになって。その後自分でも集めていたら27歳で1000本になっていました」
以後、新聞のイベント欄や通販欄、ネットを駆使して情報を集め、全国各県はもちろん、海外の変わり種まで幅広く取り寄せる。
「販促用など、入手困難な耳かきほど燃えます。どこそこでイベントがあると知れば、耳かきの販促物がないか電話。マグロの歯で耳かきを作った人の記事を読んで、自分の分もと頼んだことも」
収集するうちに、耳かき自体への興味も自然と深まっていった。
「どの素材が使いやすいか比較検討したり、竹製はヤスリで削ってカスタマイズしたり、マイベストを追求するように。一番使いやすいのはくじらのひげ製です。でも、今やお土産屋の定番は、耳かきより携帯ストラップ。耳かきを探すのは難しいんですよね……」
純銀製、カスタマイズなど高級品も多い。
「いつか、個展を開けたらいいですね」
― [ニッチ系評論家]の奥深~い日常【4】 ―
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